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数列とは、文字どおり数が並んで列となったものです。
特にある規則をもって並んだ数字の列のことを指します。
高校数学では数学Bとして学習します。
数列の具体例
例えば、次のようなものが数列と呼ばれます。これは、数が2ずつ増えていく1から9までの数列です。
$$1, 3, 5, 7, 9, 11$$
これは、数が3ずつ増える2から20までの数列です。
$$2, 5, 8, 11, 14, 17, 20$$
これらのように、終わりがある数列を有限数列といいます。
逆に、無限に続く数列のことを無限数列と呼びます。例えば、以下のようなものが無限数列です。
$$0, 2, 4, 6, 8, 10, 12, …$$
これは、いつまでの2ずつ増え続ける無限数列です。
もちろん、数が増えるだけではなく、減ったり倍増したりするものも数列です。
数列の各部分の呼び方
数列を構成する数字一つひとつのことを「項」と呼びます。
数列に含まれる項には、その場所によって様々な名前がつけられています。ここでは、以下の数列を例に、それらの役割と名前を紹介します。
$$1, 3, 5, 7, 9, 11\tag{1}$$
この数列を以降「数列(1)」と書きます。
初項
初項とは、数列の一番はじめの項のことです。数列(1)では、一番はじめの「1」が初項です。
末項
末項とは、数列の最後の項のことです。数列(1)で言えば「11」が末項です。
無限数列の場合、末項はありません。
第n項
n番目の項のことです。nには数字が入ります。例えば、数列(1)における第3項といえば「5」のことになります。
一般的に、第n項は $a_n$ と表記されます。
練習問題1
数列(1)の5番目の数字のことです。なので「9」です。
$$a_5 = 9$$
項数
数列を構成する項の数です。数列(1)には6つの数字があるので、項数は「6」です。
無限数列の場合は「無限」となります。
一般項とは
数列は、項を全てそのまま書くと長くなってしまいます。例えば、2から98まで3ずつ増える数列を書こうとすると、以下のように非常に長く煩雑です。
$$2, 5, 8, 11, 14, 17, 20, 23, 26, 29, 32, 35, 38, 41, 44, 47, 50, 53, 56, 59, 62, 65, 68, 71, 74, 77, 80, 83, 86, 89, 92, 95, 98$$
数列を簡単に書くために、これらの項を簡潔に表現するために使われるnを使った項を表す式を一般項と呼びます。
この数列の一般項は、
$$a_n = 2 + 3(n – 1)$$
と書けます。本当に正しいか実際に数字を入れて確かめてみましょう。
n = 1 のとき
nが1のときは、つまり初項です。
$$a_1 = 2 + 3(1 – 1) = 2$$
これは初項が2であることと一致しています。
n = 2 のとき
$$a_1 = 2 + 3(2 – 1) = 5$$
n = 10 のとき
$$a_1 = 2 + 3(10 – 1) = 29$$
このように、nに数字を当てはめるだけで、第n項の数字がわかります。書ききれない無限数列でも、nに求めたい項の番号を代入するだけで第n項の数字を調べることができます。
練習問題2
上の数列の一般項は以下のようでした。
$$a_n = 2 + 3(n – 1)$$
したがって、このnに20を代入すれば、一つづつ数えなくても第20項の数字が求められます。
$$a_20 = 2 + 3 \times 19 = 59$$
練習問題3
$$3, 6, 9, 12, 15, 18, …$$
初項(n = 1 のとき)は3、n = 2 のときは6、n = 3のときは9、… と、nの3の倍数が項の数となっているので、一般項は以下のように書けます。
$$a_n = 3n$$
以上が数列の基本的な用語や考え方です。次回は等差数列について説明します。