【SPI】損益算の計算方法と練習問題

2016年9月10日(更新: 2020年5月18日)

損益算は「定価」「原価」「利益」など複数の数値を同時に考える複雑な計算問題です。

例題1

ある商品を売るとき、原価に2割の利益をつけて定価としたが、売れなかったので定価の1割引としたら、定価が1080円となった。この商品の原価はいくらか?

考え方

原価を x とします。

原価に2割の利益をつけた場合、値段は1.2倍(120%)となります。

$$定価 = 1.2 \times x$$

しかし、この価格では売れずに1割引(10%引き)としたので、定価は以下のようになります。

$$定価 = 1.2 \times x \times (1 – 0.1)$$

この時の定価が1080円になったということなので、以下の式が成り立ちます。

$$1080 = 1.2 \times x \times 0.9$$

$$1080 = 1.08 \times x$$

$$x = 1000$$

以上より、原価は1000円であったことがわかります。

練習問題1

商品が複数個ある場合の問題です。

100個の商品を1個120円で仕入れて、ある値段をつけて販売した。商品の8割が売れたので、利益は1600円であった。この商品1個の定価はいくらか?
答えを見る

商品の定価を x とします。

商品1個が売れた場合の利益は、

$$1個あたりの利益(円) = 定価 – 原価 = x – 120$$

今回は仕入れた商品の8割(80%)が売れたので、

$$売れた個数 = 100 \times 0.8 = 80$$

商品の8割が売れ、2割が売れ残った際の利益がいくらかがわかっているので、以下の式が成り立ちます。

$$(x – 120) \times 80 – 120 \times 20 = 1600$$

$$80x = 1600 + 9600 + 2400$$

$$80x = 13600$$

$$x = 170$$

以上から、商品1個の定価は170円であることが計算できました。

練習問題2

損失が出るタイプの問題です。

原価12000円の商品にある定価をつけて売り出したが、売れなかったので3割引として販売したところ1500円の損失となった。商品につけた定価はいくらか?
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商品の定価を x とします。

定価の3割引が原価である12000円よりも1500円安くなったということなので、

$$x \times (1 – 0.3) = 12000 – 1500$$

$$x \times 0.7 = 10500$$

$$x = 15000$$

以上から、商品の定価が15000円であることが計算できます。

例題2

損益算は価格だけでなく、人数や個数を対象としたパターンもよく出題されます。

ある学校の生徒数は、去年に比べて男子は2%減り、女子は4%増えた。その結果、全体では3人増えて228人となった。今年の女子生徒は何人か?

考え方

去年の男子生徒の数を x、去年の女子生徒の数を y とします。

今年の人数の増減の割合から、以下の式が成り立ちます。

$$x \times (1 – 0.02) + y \times (1 + 0.04) = 228$$

$$x \times 0.98 + y \times 1.04 = 228\tag{1}$$

また、去年の人数は今年よりも3人少ないことがわかっているので、

$$x + y = 228 – 3 = 225\tag{2}$$

式(2)より、

$$x = 225 – y$$

これを式(1)に代入して、

$$(255 – y) \times 0.98 + y \times 1.04 = 228$$

$$y \times 1.04 – y \times 0.98 = 228 – 220.5$$

$$y \times 0.06 = 228 – 220.5$$

$$y \times 0.06 = 228 – 220.5$$

$$y = 7.5 \div 0.06$$

$$y = 125$$

去年の女子生徒の数が125人であることから、今年の女子生徒の数が求められます。

$$今年の女子生徒数 = 125 \times 1.04 = 130$$

以上より、今年の女子生徒の数は130人であることがわかります。

練習問題3

ある職場の今年の社員数は、去年に比べると男性が1%減って女性が4%増えたので、全体では8人増えて583人になった。今年の男性社員は何人か?
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去年の男性社員数を x、女性社員数を y とおきます。

去年の全体の社員数は583人より8人少ないので、以下の式が成り立ちます。

$$x + y = 583 – 8 = 575\tag{A}$$

今年の社員増加数を考えると、以下の式が成り立ちます。

$$x \times 0.99 + y \times 1.04 = 583\tag{B}$$

この式(B)の両辺を100倍して、少数を整数に直すと、

$$x \times 99 + y \times 104 = 58300\tag{B’}$$

式(A)の両辺を99倍すると、

$$99 \times x + 99 \times y = 56925\tag{A’}$$

式(B’)の両辺から式(A’)の両辺を引くと、

$$y \times 5 = 1375$$

$$y = 275$$

この値を式(A)に代入して x の値を求めます。

$$x = 575 – 275 = 300$$

したがって、去年の男性社員数が300人であることがわかりました。

求める数値は今年の男性社員数なので、

$$300 \times 0.99 = 297$$

以上より、答えは297人と計算できます。

例題3

複雑な損益算の応用問題です。

ある家庭の先月の食費は、収入から家賃40000円を引いた額の35%であった。今年の収入は先月に比べて10%、家賃は4%増加して、食費は0.12万円減少した。その結果、今年の食費は収入から家賃を引いた額の30%となった。今年の収入はいくらか?

考え方

先月を基準として考えます。先月のわからない値である食費と収入を、それぞれ xy とおくと、次の式が成り立ちます。

$$x = (y – 40000) \times \frac{35}{100}\tag{A}$$

今月分は問題文に記載されているように変化したため、次の式で表されます。

$$x – 1200 = (y \times 1.1 – 40000 \times 1.04) \times \frac{30}{100}$$

$$x = (y \times 1.1 – 41600) \times \frac{30}{100} + 1200\tag{B}$$

式(A)と式(B)から x を消去できるので、

$$(y – 40000) \times \frac{35}{100} = (y \times 1.1 – 41600) \times \frac{30}{100} + 1200$$

$$(y – 40000) \times 35 = (y \times 1.1 – 41600) \times 30 + 120000$$

$$35 \times y – 1,400,000 = 33 \times y – 1,128,000$$

$$2y = 272000$$

$$y = 136000$$

これが去年の収入なので、今年の収入は、

$$136000 \times 1.1 = 1496000$$

以上より、今年の収入は1496000円であることが計算できました。

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