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損益算は「定価」「原価」「利益」など複数の数値を同時に考える複雑な計算問題です。
例題1
考え方
原価を x とします。
原価に2割の利益をつけた場合、値段は1.2倍(120%)となります。
$$定価 = 1.2 \times x$$
しかし、この価格では売れずに1割引(10%引き)としたので、定価は以下のようになります。
$$定価 = 1.2 \times x \times (1 – 0.1)$$
この時の定価が1080円になったということなので、以下の式が成り立ちます。
$$1080 = 1.2 \times x \times 0.9$$
$$1080 = 1.08 \times x$$
$$x = 1000$$
以上より、原価は1000円であったことがわかります。
練習問題1
商品が複数個ある場合の問題です。
商品の定価を x とします。
商品1個が売れた場合の利益は、
$$1個あたりの利益(円) = 定価 – 原価 = x – 120$$
今回は仕入れた商品の8割(80%)が売れたので、
$$売れた個数 = 100 \times 0.8 = 80$$
商品の8割が売れ、2割が売れ残った際の利益がいくらかがわかっているので、以下の式が成り立ちます。
$$(x – 120) \times 80 – 120 \times 20 = 1600$$
$$80x = 1600 + 9600 + 2400$$
$$80x = 13600$$
$$x = 170$$
以上から、商品1個の定価は170円であることが計算できました。
練習問題2
損失が出るタイプの問題です。
商品の定価を x とします。
定価の3割引が原価である12000円よりも1500円安くなったということなので、
$$x \times (1 – 0.3) = 12000 – 1500$$
$$x \times 0.7 = 10500$$
$$x = 15000$$
以上から、商品の定価が15000円であることが計算できます。
例題2
損益算は価格だけでなく、人数や個数を対象としたパターンもよく出題されます。
考え方
去年の男子生徒の数を x、去年の女子生徒の数を y とします。
今年の人数の増減の割合から、以下の式が成り立ちます。
$$x \times (1 – 0.02) + y \times (1 + 0.04) = 228$$
$$x \times 0.98 + y \times 1.04 = 228\tag{1}$$
また、去年の人数は今年よりも3人少ないことがわかっているので、
$$x + y = 228 – 3 = 225\tag{2}$$
式(2)より、
$$x = 225 – y$$
これを式(1)に代入して、
$$(255 – y) \times 0.98 + y \times 1.04 = 228$$
$$y \times 1.04 – y \times 0.98 = 228 – 220.5$$
$$y \times 0.06 = 228 – 220.5$$
$$y \times 0.06 = 228 – 220.5$$
$$y = 7.5 \div 0.06$$
$$y = 125$$
去年の女子生徒の数が125人であることから、今年の女子生徒の数が求められます。
$$今年の女子生徒数 = 125 \times 1.04 = 130$$
以上より、今年の女子生徒の数は130人であることがわかります。
練習問題3
去年の男性社員数を x、女性社員数を y とおきます。
去年の全体の社員数は583人より8人少ないので、以下の式が成り立ちます。
$$x + y = 583 – 8 = 575\tag{A}$$
今年の社員増加数を考えると、以下の式が成り立ちます。
$$x \times 0.99 + y \times 1.04 = 583\tag{B}$$
この式(B)の両辺を100倍して、少数を整数に直すと、
$$x \times 99 + y \times 104 = 58300\tag{B’}$$
式(A)の両辺を99倍すると、
$$99 \times x + 99 \times y = 56925\tag{A’}$$
式(B’)の両辺から式(A’)の両辺を引くと、
$$y \times 5 = 1375$$
$$y = 275$$
この値を式(A)に代入して x の値を求めます。
$$x = 575 – 275 = 300$$
したがって、去年の男性社員数が300人であることがわかりました。
求める数値は今年の男性社員数なので、
$$300 \times 0.99 = 297$$
以上より、答えは297人と計算できます。
例題3
複雑な損益算の応用問題です。
考え方
先月を基準として考えます。先月のわからない値である食費と収入を、それぞれ x 、y とおくと、次の式が成り立ちます。
$$x = (y – 40000) \times \frac{35}{100}\tag{A}$$
今月分は問題文に記載されているように変化したため、次の式で表されます。
$$x – 1200 = (y \times 1.1 – 40000 \times 1.04) \times \frac{30}{100}$$
$$x = (y \times 1.1 – 41600) \times \frac{30}{100} + 1200\tag{B}$$
式(A)と式(B)から x を消去できるので、
$$(y – 40000) \times \frac{35}{100} = (y \times 1.1 – 41600) \times \frac{30}{100} + 1200$$
$$(y – 40000) \times 35 = (y \times 1.1 – 41600) \times 30 + 120000$$
$$35 \times y – 1,400,000 = 33 \times y – 1,128,000$$
$$2y = 272000$$
$$y = 136000$$
これが去年の収入なので、今年の収入は、
$$136000 \times 1.1 = 1496000$$
以上より、今年の収入は1496000円であることが計算できました。