FreeCADで3Dプリンター用のSTLデータを作る(1) – インストールと基本操作

2017年6月19日(更新: 2018年2月7日)

コンピュータ上で3Dを扱うファイルの形式には様々なものがありますが、3Dプリンターの多くは .stl(standard triangulated language)に対応しています。

stlは、主にCAD(computer-aided design)ソフトで用いられる3Dファイルの形式です。CADは3DCGのソフトとは異なり、建築や工業製品などで厳密な寸法での設計が必要な際に用いられるソフトです。

無料で利用できる、オープンソースのCADソフトに「FreeCAD」があります。

FreeCADのスプラッシュ画面

FreeCADの公式サイト: FreeCAD: オープンソース パラメトリック 3D CAD モデラー

これから何回かに分けて、FreeCADを使って3Dプリンターで出力するモデルを作る方法を紹介したいと思います。今回は、以下の3つについてです。

  • FreeCADのインストール
  • 簡単な図形の作成
  • データをstl形式で出力する

FreeCADのインストール

FreeCADのダウンロードページにアクセスします → Download – FreeCAD Documentation

以下のようなダウンロードページが表示されると思います。FreeCADは様々なOSに対応していますので、お使いの環境にあったものを選択してください。

freeCADのダウンロードページ

このサイトでは、Windows10 でWindows版(64bit)をダウンロードしたとして解説をします。

インストーラーをダウンロードし終えたら、起動してください。

FreeCADのWindows64bit向けインストーラーを起動

起動すると、次の画面が表示されます。

FreeCADのインストール画面

「I Agree」をクリックします。

FreeCADのインストール先の指定

インストールするフォルダを指定します。特にこだわりがない場合はそのまま「Next」をクリックしてください。

インストール内容の指定

そのまま「Install」をクリックしてしばらくお待ちください。

FreeCADのインストール完了

「Complete」を押して終了です。

インストール場所を変更していなければ、FreeCADの本体(実行ファイル、FreeCAD.exe)は以下のディレクトリに存在します。

C:\Program Files\FreeCAD 0.16\bin

FreeCAD本体のインストール場所

作業しやすいようにショートカットをデスクトップに作成することをオススメします。

FreeCADのデスクトップショートカット

以上でインストールは完了です。

FreeCADで簡単な図形の作成

実際にFreeCADを使って簡単な3Dモデルを作ってみます。

上記の手順でインストールした実行ファイル(FreeCAD.exe またはそのショートカット)をダブルクリックして起動してください。

FreeCADのデスクトップショートカット

起動すると、以下のような画面が開かれます。

FreeCADの初期画面

まず、画面左上にある新規作成ボタン(白紙のアイコン)をクリックしてください。

CADの新規ドキュメントを作成

すると、以下のような背景が青っぽい画面に切り替わると思います。

FreeCADの新規ドキュメント

この状態で、画面上部にあるプルダウンメニューから「Part」を選択します。

選択すると、次のようなメニューが画面上部に現れます。

CADのPartモードに切り替えるパーツモードのメニュー

これが、3Dパーツを組み合わせてモデルを設計するモードです。今回は、このモードで用意されている図形を組み合わせて3Dモデルを作っていきます。

オレンジ色の立体が書かれたボタンを押すと、その形の3Dパーツが画面に表示されます。

一番左の立方体のボタンを押して、立方体パーツを出してみてください。

立方体の3Dパーツを表示した例

ただの正方形に見えますが、これは視点の位置がZ軸方向にあり、立方体の1面(XY平面)だけが見えているためです。

画面右下には、視点からどのように座標が表示されているかの情報が表示されています。

CADの座標軸情報

では、視点を変えてみましょう。視点の変更は、マウスのホイールを押しっぱなしにした状態で、マウスの右または左のボタンを押しっぱなしにしてマウスを動かします。

2つのボタンを押した状態では、マウスカーソルが向かい合う2つの矢印(🔁)になります。この状態でマウスを動かして視点を変えます。

以下のように斜めから見ると、立方体であることがわかります。

FreeCADで視点を移動

もし、操作を誤ってしまい、図形がどこにあるかわからなくなってしまった場合は、画面左上の白紙と虫眼鏡のアイコン画面上の全てのコンテンツにフィット)を押してください。

画面上の全てのコンテンツにフィット

詳しい操作の方法と3Dパーツの変形などについては、次回以降に解説します。今回は、立方体がひとつ表示出来たらOKです。

データをstl形式で出力する

この立方体のように、実際に FreeCAD で作成したモデルを3Dプリンターで出力するには、stl形式のファイルとして出力する必要があります。

それでは、今回の立体を .stl として出力してみましょう。

画面左側にあるコンボメニュー中には、現在ドキュメント中に存在しているモデルの一覧が表示されています。

コンボメニュー中のモデル

この中から、出力したいモデルを選択状態にします。今回は「立方体」を出力したいので、「立方体」をクリックしてください。

以下のように、モデルが緑色にハイライトされた状態になっていれば選択ができているということです。

FreeCADでモデルを選択状態にする

この状態で、画面上部のメニューの ファイル > エクスポート を選択します。

選択したモデルをstl形式でエクスポート

ファイルの形式を「STL Mesh」にして、名前を付けて保存してください。

stlデータとして3Dモデルを保存

以上で、FreeCADで作った3Dモデルをstl形式で保存できます。後は3Dプリンター用のソフトでこのstlデータを読み込めばプリントできます。
次回は、より詳しい使い方や3Dモデルの作成について紹介していきたいと思います。

筆者は Finder という3Dプリンターで遊んでいます。

3Dプリンターで作ったSTLを出力

この3Dプリンターについては、以下のページで紹介しています。

3Dプリンター「Finder」のレビュー 開封・初期設定と実際のプリント | JoyPlotライフ

FreeCADで3Dプリンター用のSTLデータを作る(1) – インストールと基本操作」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: FreeCADで3Dプリンター用のSTLデータを作る(2) – 図形を組み合わせたSTLを作成 | JoyPlotドキュメント

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