等差数列とその一般項

2016年10月9日(更新: 2016年10月9日)

前回は数列の基本的な考え方について解説しました。

今回は、項と項の差が常に一定となる等差数列について解説します。

等差数列とは

例えば、以下のように同じ数だけ増えていく数列を等差数列と呼びます。

$$1, 4, 7, 10, 13, 16, … \tag{1}$$

ある項とその次の項とのが常にしいためこう呼ばれます。この2つの項の差のことを公差といいます。項差ではなく公差です。

この数列(1)は初項が1、公差が3の等差数列ということになります。

公差は次のように計算されます。

$$ある項 – その前の項$$

nを使った式で表すと、次のようになります。

$$a_{n+1} – a_n$$

したがって、数が増える数列であれば公差はプラス、数が減る数列であれば公差はマイナスになります。

練習問題1

次の数列の公差はいくつか?

$$10, 6, 2, -2, -6, -10$$

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公差を求める式 $$a_{n+1} – a_n$$ より、

$$a_2 – a_1 = 6 – 10 = -4$$

したがって、この数列の公差は -4 です。実際に -4 ずつ減少していることが確認できます。

練習問題2

初項が -2 で、末項が 18、公差が 5 の数列を書いてください。
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-2 から 18 になるまで 5 を足していった数字を並べて書けばいいので、以下のようになります。

$$-2, 3, 8, 13, 18$$

等差数列の一般項

前回説明したように、数列はnを使った式(一般項)として表現できます。等差数列の場合、一般項がどういう形になるかが決まっています。

初項 $a_1$ 、公差 $d$ の等差数列は以下のような形になります。

$$a_n = a_1 + (n – 1)d\tag{☆}$$

例えば、上で書いた数列(1)をこの式に当てはめてみると、

$$a_n = 1 + (n – 1) \times 3 = 3n – 2$$

となります。nに1から順番に数値を代入してみると、式(1)と一致することが確認できます。

練習問題3

次の数列の一般項は?

$$10, 6, 2, -2, -6, -10$$

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この数列の初項は 10、公差は -4 です。等差数列の一般項を表す式(☆)にこれらを代入すると、

$$a_n = 10 + (n – 1) \times -4 = -4n + 14$$

練習問題4

等差数列の特徴を使って考える応用問題です。

$a_2$(第2項)が 6、$a_5$(第5項)が 33 である等差数列の一般項は?
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初項と公差がわかっていない状態です。

しかし、等差数列は項の数の増加量(減少量)が一定なので、数列が何個進んだときに、どれだけ項の数が大きくなったかがわかれば、公差を求めることができます。

今回は数列が3つ進むと、項の数が27大きくなったことから、公差 $d$ は、

$$d = \frac{33 – 6}{5 – 2} = \frac{27}{3} = 9$$

$a_2$ がわかっているので、等差数列の一般項を表す式(☆)にわかっている数値を代入して、

$$6 = a_1 + (2 – 1) \times 9$$

$$a_1 = -3$$

以上から、この数列の一般項は以下のように書けます。

$$a_n = -3 + (n – 1) \times 9 = 9n – 12$$

練習問題5

次の等差数列の $x$ の値は?

$$5, x, -7$$

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練習問題4と同じように考えられます。

数列が2つ進むと、項の数が12小さくなったことから、公差 $d$ は、

$$d = \frac{-12}{2} = -6$$

よって $a_2$ は、

$$a_1 + d = a_2$$

$$5 – 6 = a_2$$

$$a_2 = -1$$

以上から、この数列は以下のようであることがわかります。

$$5, -1, -7$$

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