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前回は等差数列の和について解説しました。
今回は、等差数列の一般項や数列の和に関する練習問題をいくつか解いてみましょう。
等差数列の一般項
練習問題1
等差数列の一般項の式は、
$$a_n = a_1 + (n – 1)d$$
これに、問題文で与えられた値を代入すると、
$$a_n = -6 + (n – 1) \times 7 = 7n – 13$$
これが 92 になるときの $n$ を求めればいいので、
$$92 = 7n – 13$$
$$7n = 105$$
$$n = 15$$
以上より、92 はこの数列の第15項の値であることがわかります。
練習問題2
$$-3, x, y, 18, …$$
等差数列であることから、ある項から一つ前の項を引いた値はどこも等しくなるので、以下の式が成り立ちます。
$$x – (-3) = y – x = 18 – y$$
この式から、以下の2つの式が導きだせます。
$$2x = y – 3\tag{1}$$
$$x = 2y – 18\tag{2}$$
式(2)を式(1)に代入して、
$$4y – 36 = y – 3$$
$$3y = 33$$
$$y = 11$$
この値を式(2)に代入すると、
$$x = 4$$
したがって問題文の数列は以下のようであることがわかります。
$$-3, 4, 11, 18, …$$
これは初項 -3、公差 7 の等差数列なので、一般項の式は、
$$a_n = -3 + (n – 1) \times 7$$
$$a_n = 7n – 10$$
練習問題3
$$2, 11, 20, 29, …$$
この数列は、初項が 2、公差が 9 の等差数列なので一般項は、
$$a_n = 2 + (n – 1) \times 9$$
$$a_n = 9n – 7$$
第20項は $a_{20}$ 、つまり $n = 20$ の時であるから、
$$a_{20} = 9 \times 20 – 7 = 173$$
等差数列の和
練習問題4
$$2, 11, 20, 29, …$$
等差数列の部分和の公式より、
$$S_n = \frac{1}{2}n\{2a_1 + (n – 1)d\}$$
この数列は、初項が 2、公差が 9 の等差数列なので、
$$S_n = \frac{1}{2} \times 20 \times (4 + 19 \times 9)$$
$$S_n = 10 \times (4 + 171) = 1750$$
練習問題5
7の倍数を数列としてみてみると、100までのものは、
$$7, 14, 21, 28, …, 98$$
つまり、7の倍数は、初項が 7、公差も 7 の等差数列と見なせます。
そして、98 はこの数列における何項目であるかは、以下のように求められます。
$$100 \div 7 = 14 (あまり2)$$
なので、98 は第14項目であることがわかります。
等差数列の和の公式より、
$$S_n = \frac{1}{2}n(a_1 + a_l)$$
$$\frac{1}{2} \times 14 \times (7 + 98)$$
$$7 \times 105 = 735$$
練習問題6
等差数列の部分和の公式より、初項から第8項までの和から以下の式が導き出せます。
$$S_n = \frac{1}{2}n\{2a_1 + (n – 1)d\}$$
$$100 = \frac{1}{2} \times 8 \times \{2a_1 + (8 – 1)d\}$$
$$100 = 4 \times (2a_1 + 7d)$$
$$2a_1 + 7d = 25\tag{1}$$
初項から第20項までの和は、
$$100 + 990 = 1090$$
したがって、同じように以下の式が導き出せます。
$$1090 = \frac{1}{2} \times 20 \times \{2a_1 + (20 – 1)d\}$$
$$1090 = 10 \times (2a_1 + 19d)$$
$$2a_1 + 19d = 109\tag{2}$$
式(2)から式(1)の両辺を引くと、
$$12d = 84$$
$$d = 7$$
これを、式(1)に代入すると、
$$2a_1 + 49 = 25$$
$$a_1 = -12$$
したがって、この数列は初項 -12、公差 7 の等差数列であるとわかります。以上のことから、この数列の一般項は、
$$a_n = -12 + (n – 1) \times 7 = 7n – 19$$
次の等差数列がある。
$$44, 39, 34, 29, …$$
この数列の初項から第何項までの和が最大値となるか、また最大値はいくらか?
数列の和が最大となるときは、項がマイナスとなる前の項までを足したときです。
この数列の初項は 44、公差は -5 なので、一般項は、
$$a_n = a_1 + (n – 1)d = 44 + (n – 1) \times -5 = -5n + 49$$
これがプラスとなる時の $n$ は、
$$-5n + 49 > 0$$
$$5n < 49$$ $$n < \frac{49}{5} = 8.8$$ つまり、$n$ が 8.8 より小さい整数のとき、項の数がプラスになります。したがって、$n$ が最後にプラスとなるのは $n = 8$ のときです。 以上のことから、初項から第8項までの和が最大値となります。その値は、
$$S_8 = \frac{1}{2} \times 8 \times \{2 \times 44 + (8 – 1) \times -5\}$$
$$S_8 = 4 \times (88 – 35) = 4 \times 53 = 212$$
以上、等差数列の様々な形式の練習問題でした。
次回からは等比数列について学習していきましょう。
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