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SPI試験で出題される濃度算は、水に溶けている食塩の量を計算したり、水の量を変化させたときの濃度を計算したりする問題です。割合(% : パーセント)を考える必要があり、問題が複雑になりやすい分野です。
問題のタイプとしては、以下の3つがあります。
- 水の量を増やす(減らす)問題
- 食塩を加える問題
- 食塩水を混ぜる問題
基本式
以下の式に数値を当てはめると、各値を算出できます。
$$食塩(g) = 食塩水(g) \times \frac{濃度(%)}{100}\tag{1}$$
%は百分率とも呼ばれ、全体を100と考えた場合はどれだけの割合になるかを表す指標です。
したがって10%と言えば、全体を100とした場合の10ということになります。式で書くと以下の通りです。
$$10% = \frac{10}{100} = \frac{1}{10}$$
例題1
考え方
問題文の数値を式(1)に当てはめると、
$$食塩(g) = 300 \times \frac{6}{100} = 18$$
よって含まれる食塩の量は18gであるとわかります。
例題2
食塩水の水の量を変化させる問題です。
考え方
水を加える前の条件から、この食塩水に溶けている食塩の量が計算できます。式(1)より、
$$食塩(g) = 200 \times \frac{6}{100} = 12$$
加えた水の量を x として、分かっている数値を式(1)に当てはめます。
水が加えられたことで、食塩水の量が (200 + x)g になり、その濃度が4%になりましたが、溶けている食塩の量は変わりません。したがって、以下の式が成り立ちます。
$$12 = (200 + x) \times \frac{4}{100}$$
両辺に100をかけて、分数を整数に直します。
$$1200 = 800 + 4 \times x$$
$$4 \times x = 400$$
$$x = 100$$
したがって加えた水の量は100gであるとわかります。
練習問題1
今回は水の量が減るタイプの問題です。考え方は例題2と同じです。
まず、元の食塩水に含まれている食塩の量を計算します。
$$食塩(g) = 400 \times \frac{8}{100} = 32$$
蒸発させた水の量を x として、式(1)に数値を当てはめます。食塩水の量が減って (400 – x)g になり、その濃度が10%になったことから式を作ると、
$$32 = (400 – x) \times \frac{10}{100}$$
$$32 = (400 – x) \times \frac{1}{10}$$
両辺に10をかけて、
$$320 = 400 – x$$
$$x = 80$$
したがって、蒸発させた水の量は80gです。
例題3
食塩を加えて濃度を変えるタイプの問題です。
考え方
もともと入っていた食塩の量は、以下のように算出できます。
$$食塩(g) = 300 \times \frac{4}{100} = 12$$
加える食塩の量を x とおきます。食塩を加えると濃度が10%になればいいので、以下の式が成り立ちます。
$$12 + x = (300 + x) \times \frac{10}{100}$$
注意すべき点は、食塩を加えるということは食塩水の量も増えるということです。この問題の場合、食塩を加えることで、食塩水の量は (300 + x)g になります。
上の式の両辺に10をかけて、
$$120 + 10 \times x = 300 + x$$
$$9 \times x = 180$$
$$x = 20$$
したがって20gの食塩水を加えればよいことがわかります。
練習問題2
食塩を加えて濃度を変えた食塩水を作る練習問題です。
x(g)の食塩を加えるとします。
はじめにあった濃度4%の食塩水の量は、食塩を加えた後に960gになることから、
$$はじめの4%食塩水の量 = 960 – x (g)\tag{A}$$
です。このうちの4%が食塩の量なので、以下の式が成り立ちます。
$$元々含まれていた食塩の量 = (960 – x) \times \frac{4}{100}$$
食塩を加えた後の食塩水の濃度が20%であることから、式(1)より、
$$元々含まれていた食塩の量 + x = 960 \times \frac{20}{100}$$
元々含まれていた食塩の量は先ほど求めましたので、それを代入します。
$$(960 – x) \times \frac{4}{100} + x = 960 \times \frac{20}{100}$$
$$(960 – x) \times 4 + 100 \times x = 960 \times 20$$
$$3840 – 96 \times x = 19200$$
$$96 \times x = 15360$$
$$x = 160$$
この値を式(A)に代入すると、
$$はじめのの4%食塩水の量 = 960 – 160 = 800$$
以上より、濃度が4%の食塩水は800gあればよいことが計算できます。
例題4
食塩水に食塩水を加えるタイプの問題です。
考え方
まず、それぞれの食塩水に含まれている食塩の量を計算します。
濃度5%の食塩水200gに含まれる食塩の量は、
$$200 \times \frac{5}{100} = 10(g)$$
そして、濃度3%の食塩水100gに含まれる食塩の量は、
$$100 \times \frac{8}{100} = 8(g)$$
これらを混ぜ合わせるので、食塩水の量は、
$$食塩水の量 = 200 + 100 = 300(g)$$
その内の食塩の量は、
$$食塩の量 = 10 + 8 = 18(g)$$
したがって式(1)より、
$$18 = 300 \times \frac{濃度(%)}{100}$$
$$18 = 3 \times 濃度(%)$$
$$濃度(%) = 6$$
以上より、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度は6%であることが計算できました。