【SPI】食塩水の濃度の計算方法(濃度算)と練習問題

2016年9月7日(更新: 2018年1月19日)

SPI試験で出題される濃度算は、水に溶けている食塩の量を計算したり、水の量を変化させたときの濃度を計算したりする問題です。割合(% : パーセント)を考える必要があり、問題が複雑になりやすい分野です。

問題のタイプとしては、以下の3つがあります。

  1. 水の量を増やす(減らす)問題
  2. 食塩を加える問題
  3. 食塩水を混ぜる問題

基本式

以下の式に数値を当てはめると、各値を算出できます。

$$食塩(g) = 食塩水(g) \times \frac{濃度(%)}{100}\tag{1}$$

%は百分率とも呼ばれ、全体を100と考えた場合はどれだけの割合になるかを表す指標です。

したがって10%と言えば、全体を100とした場合の10ということになります。式で書くと以下の通りです。

$$10% = \frac{10}{100} = \frac{1}{10}$$

例題1

6%の食塩水300gに含まれる食塩は何gか?

考え方

問題文の数値を式(1)に当てはめると、

$$食塩(g) = 300 \times \frac{6}{100} = 18$$

よって含まれる食塩の量は18gであるとわかります。

例題2

食塩水の水の量を変化させる問題です。

6%の食塩水200gに、ある量の水を加えると、濃度が4%の食塩水になった。加えた水は何gか?

考え方

水を加える前の条件から、この食塩水に溶けている食塩の量が計算できます。式(1)より、

$$食塩(g) = 200 \times \frac{6}{100} = 12$$

加えた水の量を x として、分かっている数値を式(1)に当てはめます。

水が加えられたことで、食塩水の量が (200 + x)g になり、その濃度が4%になりましたが、溶けている食塩の量は変わりません。したがって、以下の式が成り立ちます。

$$12 = (200 + x) \times \frac{4}{100}$$

両辺に100をかけて、分数を整数に直します。

$$1200 = 800 + 4 \times x$$

$$4 \times x = 400$$

$$x = 100$$

したがって加えた水の量は100gであるとわかります。

練習問題1

8%の食塩水400gから、ある量の水を蒸発させると濃度が10%の食塩水になった。蒸発させた水は何gか?
答えを見る

今回は水の量が減るタイプの問題です。考え方は例題2と同じです。

まず、元の食塩水に含まれている食塩の量を計算します。

$$食塩(g) = 400 \times \frac{8}{100} = 32$$

蒸発させた水の量を x として、式(1)に数値を当てはめます。食塩水の量が減って (400 – x)g になり、その濃度が10%になったことから式を作ると、

$$32 = (400 – x) \times \frac{10}{100}$$

$$32 = (400 – x) \times \frac{1}{10}$$

両辺に10をかけて、

$$320 = 400 – x$$

$$x = 80$$

したがって、蒸発させた水の量は80gです。

例題3

食塩を加えて濃度を変えるタイプの問題です。

4%の食塩水300gに食塩を加えて、濃度が10%の食塩水を作りたい。食塩を何g加えればいいか?

考え方

もともと入っていた食塩の量は、以下のように算出できます。

$$食塩(g) = 300 \times \frac{4}{100} = 12$$

加える食塩の量を x とおきます。食塩を加えると濃度が10%になればいいので、以下の式が成り立ちます。

$$12 + x = (300 + x) \times \frac{10}{100}$$

注意すべき点は、食塩を加えるということは食塩水の量も増えるということです。この問題の場合、食塩を加えることで、食塩水の量は (300 + x)g になります。

上の式の両辺に10をかけて、

$$120 + 10 \times x = 300 + x$$

$$9 \times x = 180$$

$$x = 20$$

したがって20gの食塩水を加えればよいことがわかります。

練習問題2

食塩を加えて濃度を変えた食塩水を作る練習問題です。

ある量の4%の食塩水がある。この食塩水に食塩を加えて20%の食塩水960gにしたい。4%の食塩水はいくらあればいいか?
答えを見る

x(g)の食塩を加えるとします。

はじめにあった濃度4%の食塩水の量は、食塩を加えた後に960gになることから、

$$はじめの4%食塩水の量 = 960 – x (g)\tag{A}$$

です。このうちの4%が食塩の量なので、以下の式が成り立ちます。

$$元々含まれていた食塩の量 = (960 – x) \times \frac{4}{100}$$

食塩を加えた後の食塩水の濃度が20%であることから、式(1)より、

$$元々含まれていた食塩の量 + x = 960 \times \frac{20}{100}$$

元々含まれていた食塩の量は先ほど求めましたので、それを代入します。

$$(960 – x) \times \frac{4}{100} + x = 960 \times \frac{20}{100}$$

$$(960 – x) \times 4 + 100 \times x = 960 \times 20$$

$$3840 – 96 \times x = 19200$$

$$96 \times x = 15360$$

$$x = 160$$

この値を式(A)に代入すると、

$$はじめのの4%食塩水の量 = 960 – 160 = 800$$

以上より、濃度が4%の食塩水は800gあればよいことが計算できます。

例題4

食塩水に食塩水を加えるタイプの問題です。

濃度5%の食塩水200gに濃度8%の食塩水100gを加えると、濃度がいくらの食塩水になるか?

考え方

まず、それぞれの食塩水に含まれている食塩の量を計算します。

濃度5%の食塩水200gに含まれる食塩の量は、

$$200 \times \frac{5}{100} = 10(g)$$

そして、濃度3%の食塩水100gに含まれる食塩の量は、

$$100 \times \frac{8}{100} = 8(g)$$

これらを混ぜ合わせるので、食塩水の量は、

$$食塩水の量 = 200 + 100 = 300(g)$$

その内の食塩の量は、

$$食塩の量 = 10 + 8 = 18(g)$$

したがって式(1)より、

$$18 = 300 \times \frac{濃度(%)}{100}$$

$$18 = 3 \times 濃度(%)$$

$$濃度(%) = 6$$

以上より、混ぜ合わせた後の食塩水の濃度は6%であることが計算できました。

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