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プログラムで角度や三角関数を扱うとき、場合によっては弧度法(ラジアン)と度数法(°)を使い分ける必要があります。
今回は、弧度法の定義と、それを度数法へ変換するための考え方について紹介します。
弧度法(ラジアン)の定義
1ラジアンの定義は「半径が1の円の、弧の長さが1の部分(扇)の中心角」です。
図で表すと以下の部分の角度になります。
大体 $57^{\circ}$ です。これが正しいかどうか、これから検証してみましょう。
ラジアンを度数に変換
1ラジアンが度数法では何度(°)か求めてみましょう。
円の円周の長さは以下の式で求められます。
$$直径 \times 円周率$$
円周率 $3.14\cdots$ を $\pi$ とすると、
$$直径 \times \pi$$
半径1の円の直径は 2 ですので、その円周の長さは以下のように計算できます。
$$2 \times \pi = 2\pi$$
この全円周に対する中心角は、当然 360° です。
ここで、ラジアンの定義を考えてみると、円周の長さが1の部分に対する中心角ですので、求める度数を $x$ とすると、次の比の式が成り立ちます。
$$2\pi : 360 = 1 : x$$
円の円周の全長に対する中心角は 360° です。これと、円周の長さが 1 に対する中心角の比率は同じはずです。
したがって、1ラジアンは対する角度(°)は次の式で表すことができます。
$$x = \frac{360}{2\pi} = \frac{180}{\pi} \fallingdotseq 57^{\circ}$$
以上より、1ラジアンは大体 $57^{\circ}$ であることが計算できました。
同じように考えると、ラジアンから角度に変換するには、以下の使えばいいことがわかります。
$$角度(^{\circ}) = ラジアン \times \frac{180}{\pi}\tag{1}$$
例1
答え
$$0.18 \times \frac{180}{\pi} = \frac{32.4}{\pi} \fallingdotseq 10^{\circ}$$
角度からラジアンに変換
式(1)を変形すると、逆に角度からラジアンを求めるための式が導き出せます。
$$ラジアン = 角度(^{\circ}) \times \frac{\pi}{180}$$
この式によって度数からラジアンを求めることができます。
例2
答え
$$45 \times \frac{\pi}{180} \fallingdotseq 0.785$$
このように、ラジアンの定義を覚えておけば、度数とラジアンの相互変換を簡単に考えることができます。
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