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前回は数列の基本的な考え方について解説しました。
今回は、項と項の差が常に一定となる等差数列について解説します。
等差数列とは
例えば、以下のように同じ数だけ増えていく数列を等差数列と呼びます。
$$1, 4, 7, 10, 13, 16, … \tag{1}$$
ある項とその次の項との差が常に等しいためこう呼ばれます。この2つの項の差のことを公差といいます。項差ではなく公差です。
この数列(1)は初項が1、公差が3の等差数列ということになります。
公差は次のように計算されます。
$$ある項 – その前の項$$
nを使った式で表すと、次のようになります。
$$a_{n+1} – a_n$$
したがって、数が増える数列であれば公差はプラス、数が減る数列であれば公差はマイナスになります。
練習問題1
$$10, 6, 2, -2, -6, -10$$
公差を求める式 $$a_{n+1} – a_n$$ より、
$$a_2 – a_1 = 6 – 10 = -4$$
したがって、この数列の公差は -4 です。実際に -4 ずつ減少していることが確認できます。
練習問題2
-2 から 18 になるまで 5 を足していった数字を並べて書けばいいので、以下のようになります。
$$-2, 3, 8, 13, 18$$
等差数列の一般項
前回説明したように、数列はnを使った式(一般項)として表現できます。等差数列の場合、一般項がどういう形になるかが決まっています。
初項 $a_1$ 、公差 $d$ の等差数列は以下のような形になります。
$$a_n = a_1 + (n – 1)d\tag{☆}$$
例えば、上で書いた数列(1)をこの式に当てはめてみると、
$$a_n = 1 + (n – 1) \times 3 = 3n – 2$$
となります。nに1から順番に数値を代入してみると、式(1)と一致することが確認できます。
練習問題3
$$10, 6, 2, -2, -6, -10$$
この数列の初項は 10、公差は -4 です。等差数列の一般項を表す式(☆)にこれらを代入すると、
$$a_n = 10 + (n – 1) \times -4 = -4n + 14$$
練習問題4
等差数列の特徴を使って考える応用問題です。
初項と公差がわかっていない状態です。
しかし、等差数列は項の数の増加量(減少量)が一定なので、数列が何個進んだときに、どれだけ項の数が大きくなったかがわかれば、公差を求めることができます。
今回は数列が3つ進むと、項の数が27大きくなったことから、公差 $d$ は、
$$d = \frac{33 – 6}{5 – 2} = \frac{27}{3} = 9$$
$a_2$ がわかっているので、等差数列の一般項を表す式(☆)にわかっている数値を代入して、
$$6 = a_1 + (2 – 1) \times 9$$
$$a_1 = -3$$
以上から、この数列の一般項は以下のように書けます。
$$a_n = -3 + (n – 1) \times 9 = 9n – 12$$
練習問題5
$$5, x, -7$$
練習問題4と同じように考えられます。
数列が2つ進むと、項の数が12小さくなったことから、公差 $d$ は、
$$d = \frac{-12}{2} = -6$$
よって $a_2$ は、
$$a_1 + d = a_2$$
$$5 – 6 = a_2$$
$$a_2 = -1$$
以上から、この数列は以下のようであることがわかります。
$$5, -1, -7$$