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国内では、普段温度を表す単位として℃(摂氏、セルシウス度)が使用されています。しかし、ある国では℉(華氏、ファーレンハイト度)という温度の単位が使われています。
また国際単位にはK(絶対温度、ケルビン)というものが定義されています。
これらの定義と関係について紹介します。定義よりも実際の変換式を知りたい方はこちら。
摂氏(℃)の定義
国内では最も馴染みの深い温度の単位です。1742年にスウェーデンの天文学者であるセルシウスが定義したため「セルシウス度」とも呼ばれます。
セルシウスは、特定の大気圧(標準大気圧)の下で沸騰水の中に温度計の球を浸したときの水銀柱の高さを 0度 と決め、融解中の雪の中に同じ温度系の球を浸したときの水銀柱の高さを 100度 として定義しました。当初は 0度 の方が高温を表していたようです。
つまり ℃ の基準は「沸騰する水の温度」と「氷が溶け始める温度」です。普段の生活の中で観察できる物理的な現象を基準とした温度の定義と言えます。
後にセルシウスの同僚のストロェメルが 0度 と 100度 を逆に定義し直したため、現在の形となりました。
1742年、彼は、作った温度計をとけかけの雪の中に入れたときの水銀の高さと沸騰しているお湯に入れたときの水銀の高さに印をつけ、その間の距離を100等分する温度目盛を考えました。最初、氷点を100度、沸点を0度としていましたが、後に1気圧下の水の氷点を0度、沸点を100度に改められた。
国立大学法人 大阪教育大学 実践学校教育講座(天王寺キャンパス) 種村研究室 熱の研究に貢献した人たち
華氏(℉)の定義
アメリカやイギリスで一般的に使用されている温度の単位です。
デンマークの天文学者レーマーに影響を受けたオランダ人のファーレンハイトによる温度目盛が元となっているため「ファーレンハイト度」とも呼ばれる。カ氏度とも表記されます。
華氏では、氷の融点を32度、水の沸点を212度と定義しています。
したがって、水の氷点から沸点までの目盛りの数が100個ではなく180個あります。そのため、摂氏よりも細かく温度を表せるという特徴があります。
絶対温度(K)の定義
熱力学温度とも呼ばれる、厳密な物理学で使用される温度の単位です。
0K を原子や分子の熱運動が最も弱くなりエネルギーが最低になった状態と定義します。これは「絶対零度」とも呼ばれます。
絶対零度を摂氏で表すと -273.15℃ です。
ケルビンについての詳細な定義については以下の記事をご覧ください。
温度の単位変換
上記の温度を相互変換するための式を以下に記載します。
摂氏(℃)から華氏(℉)への変換式
$$℉ = \frac{9}{5} \times ℃ + 32 = 1.4 \times ℃ + 32$$
華氏(℉)から摂氏(℃)への変換式
$$℃ = \frac{5}{9} \times (℉ – 32)$$
摂氏(℃)から絶対温度(K)への変換式
$$K = ℃ + 273.15$$
参考
国立大学法人 大阪教育大学 実践学校教育講座(天王寺キャンパス) 種村研究室 温度計の歴史
<絶対零度=-273.15度>への挑戦 | 東工大TOPICS | 東工大について | 東京工業大学
計量単位令 (平成四年政令第三百五十七号)