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場合の数は確率の基礎
確率を正しく計算するためには、場合の数の数え方を知っている必要があります。
今回は、場合の数の考え方と実際の数え方を解説します。
場合の数とは?
場合の数とは「ある現象が起きるパターンの数」です。「〜通り」と数えることができるものです。
例えば、次のイラストのような正六面体のサイコロを振ることを考えます。
このサイコロを振って「1以外の数字が出る場合の数(パターン)」はいくつでしょうか? 実際に数えてみましょう。
2, 3, 4, 5, 6
の5通りですね。
それでは「サイコロの目が偶数になる場合の数」は何通りでしょうか?
サイコロの目の中で偶数の数字は、
2, 4, 6
の3つですね。よって、サイコロの目が偶数になる場合の数、つまり、偶数が出るパターンは3通りであると言えます。
このように、特定の現象が起こるパターン数が「場合の数」です。場合の数は、丁寧に数え上げれば必ずわかります。
練習問題
学校で勉強する場合の数の単元では、よくサイコロを2つ使った問題が登場します。今回はそれを題材に場合の数を数え上げる練習をしてみましょう。
練習問題1
大きいサイコロと小さいサイコロがある。これらを同時に振って、出る目の合計が8になる場合の数はいくつか。
さて、この問題ではサイコロに大きさがあり、2つのサイコロを区別することできます。
大きいサイコロを振って出た目が1で、小さいサイコロを振って出た目が2であるような場合を、次のように表記することにします。
(大, 小)=(1, 2)
2つのサイコロが区別できますので、(大, 小)=(1, 2)と(大, 小)=(2, 1)は別のパターンとして数えます。
このことに注意して、大小2つのサイコロの目の合計が8になる出方を数えてみましょう。
出た目の合計が8になる出方は、
(大, 小)=(2, 6)、(3, 5)、(4, 4)、(5, 3)、(6, 2)
以上の5通りになります。
2と6、3と5が出るときは、どちらのサイコロでどの目が出ているかで区別が発生します。
どちらのサイコロも同じ目が出るとき(この問題の場合はどちらも4が出るとき)は区別しようがありませんので1通りです。
練習問題2
大きいサイコロと小さいサイコロがある。これらを同時に振って、出る目が同じ(ゾロ目)になる場合の数は?
出た目がどちらとも同じ場合です。ゾロ目はサイコロが区別できてもできなくても1通りしかありませんので、
(大, 小)=(1, 1)、(2, 2)、(3, 3)、(4, 4)、(5, 5)、(6, 6)
以上の6通りになります。
次に、サイコロを区別しない場合を考えてみましょう。どちらのサイコロで出たかは問題ではなく、何が出たかが重要である場合、サイコロを区別することに意味はありませんね。
このような場合、(大, 小)=(1, 2)と(大, 小)=(2, 1)は同じものということになります。出た目の組み合わせ(何と何があるか)が重要になります。
練習問題3
同じ大きさの2つサイコロを同時に振って、それらの目が異なるときの目の組み合わせは何通りか?
今回はサイコロに区別はありませんので、
(1, 2)、(1, 3)、(1, 4)、(1, 5)、(1, 6)
(2, 3)、(2, 4)、(2, 5)、(2, 6)
(3, 4)、(3, 5)、(3, 6)
(4, 5)、(4, 6)
(5, 6)
以上の15通りになります。
場合の数は一つづつ数えていけば、必ず何通りか調べることができます。しかし、膨大な数の組み合わせなどがある場合は、数え上げるのが大変です。
次回はさらに場合の数について練習をしながら、簡単に数えるための方法を紹介していきたいと思います。