群数列の解き方と練習問題

2016年10月21日(更新: 2016年10月23日)

前回は特殊な数列の一般項を求める階差数列について解説しました。

今回も、特殊な数列の発展問題である群数列について解説します。数列の項が集まってあるグループを作りながら増加(減少)していくのが群数列です。

群数列の問題

練習問題1

1から順に、数字 $n$ が$n$個並ぶ以下のような数列がある。

$$1 | 2, 2 | 3, 3, 3 | 4, 4, 4, 4 | 5, \cdots | \overbrace{n, n, n, n, \cdots n}^{n個} |$$

線で区切ってできるグループを、順番に第1群、第2群、… とする。

(1) 第n群の1番目の項を $c_n$ とするとき、$c_n$ を $n$ を用いて表すとどうなるか?
(2) 第10群の最後の数字は何か?
(3) 第35項の数字はなにか?

(1)の答え

第1群の最初の数字は1、第2群の最初の数字は2、…と数えていくと、

第n群の最初の数字もnなので、

$$c_n = n$$

(2)の答え

第1群には1個の項があるから、第1群の最後の項は 1 番目、

第2群には2個の項があるから、第2群の最後の項は (1 + 2) 番目、

第3群には3個の項があるから、第3群の最後の項は (1 + 2 + 3) 番目、

…と考えると、

第k群にはk個の項があるから、第k群の最後の項が何番目かは、以下の式で求められます。

$$1 + 2 + 3 + \cdots + k = \displaystyle \sum_{n = 1}^{k} n = \frac{1}{2}k(k + 1)\tag{1}$$

以上のことから、第10群の最後の項が何番目かは $k = 10$ を代入すると計算できます。

$$\frac{1}{2}\times 10 \times (10 + 1) = 55$$

よって55番目であることがわかります。

(3)の答え

(2)で求めた式(1)より、第k群の最後の項の番号を求めることができます。つまり、これに 1 を足すことで、次の群の最初の項が何番目かがわかります。

よって、第(k + 1)群の最初の項の番号(これを $N_{k + 1}$ とします)は、その次の項なので +1 して計算できます。

$$N_{k + 1} = \frac{1}{2}k(k + 1) + 1$$

したがって、以下の式が成り立つ k を探せば、第35項が何かが求められます。

$$N_k \leqq 35 \lt N_{k + 1}$$

k = 7 のとき、$N_{8} = \frac{1}{2} \times 7 \times 8 + 1 = 29$

k = 8 のとき、$N_{9} = \frac{1}{2} \times 8 \times 9 + 1 = 37$

よって、第35項は第7群の中の項であり、第7群の項の数字は全て 7 なので、答えは 7 です。

練習問題2

1から順に、数字を奇数個ずつの群に分けた数列がある。

$$1 | 2, 3, 4 | 5, 6, 7, 8, 9 | 10, 11, \cdots$$

線で区切ってできるグループを、順番に第1群、第2群、… とする。

(1) 第n群の1番目の項を $c_n$ とするとき、$c_n$ を $n$ を用いて表すとどうなるか?
(2) 第10群の最初の数字はなにか?
(3) 180は第何群の何番目か?

(1)の答え

第k群には項が $(2k – 1)$ 個あるので、第1群から第 $(n – 1)$ 群までの項の個数は、$n \geqq 2$ のとき、

$$\displaystyle \sum_{k = 1}^{n – 1} (2k – 1) = 2 \times \frac{1}{2}(n – 1)n – (n – 1) = n^2 – 2n + 1$$

$c_n$ は、初項から数えて $\displaystyle \sum_{k = 1}^{n – 1} (2k – 1) + 1$ 番目の項なので、

$$c_n = n^2 – 2n + 1 + 1 = n^2 – 2n + 2\tag{1}$$

これは $n = 1$ のときも成り立つので、第n群の1番目の項はこの式で表されることがわかります。

(1)の別解

各群の最初の数字 $c_n$ を抜き出して数列を作ると、

$$1, 2, 5, 10, 17, \cdots$$

この階差数列をとると、

$$1, 3, 5, 7, \cdots$$

これを $b_n$ とします。これは、初項 1、公差 2 の等差数列なので、

$$b_n = 1 + 2(n – 1) = 2n – 1$$

元の数列 $c_n$ は $n \geqq 2$ のとき、以下の式で表されることがわかります。

$$c_n = c_1 + \displaystyle \sum_{k = 1}^{n – 1} b_k$$

$$= 1 + \displaystyle \sum_{k = 1}^{n – 1} (2k – 1) = n^2 – 2n + 2\tag{1}$$

これは $n = 1$ のときも成り立つので、第n群の1番目の項はこの式で表されることがわかります。

(2)の答え

第10群の最後の数字は第11群の最初の数字から 1 を引けばいいから、式(1)より、

$$c_n = n^2 – 2n + 1 + 1 = (n – 1)^2 + 1\tag{1′}$$

$$c_{11} – 1 = 10^2 + 1 = 100$$

(3)の答え

180が第n群にあるとすると、以下の式が成り立ちます。

$$c_n \leqq 180 \lt c_{n + 1}$$

式(1′)より、

$$c_{14} = 13^2 + 1 = 170$$

$$c_{15} = 14^2 + 1 = 226$$

つまり、$$c_14 \leqq 180 \lt c_15$$ なので、180は第14群にあることがわかります。

そして、第14群の最初の項が170なので、180は11番目の項です。

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