極限の基本的な考え方

2017年1月5日(更新: 2017年1月5日)

lim(極限 : limit)を使った基本的な問題の考え方です。

極限の基本書式

limxNf(x)

関数 f(x)x の値を「N」に近づけていった時に、f(x) の値がどうなるかを答えるのが、極限の問題の基本です。

注意が必要なことは、「N」に正の方向から近づくのか、負の方向から近づくのかによって答えが変化することです。

正の方向から 0 に近づく

関数 f(x) における x の値を、正の値から 0 に近づける場合は以下のように書きます。

limx+0f(x)

正の値から 0 に近づけるというのは、具体的には以下のように x の値を変化させるということです。

1,0.1,0.01,0.001,0.0001,,0.00000000001

このように、プラスの値がどんどん小さくなっていきます。ただし、0 にはなりません。

例えば、f(x)=1x であった場合、この式の答えは次のようになります。

limx+01x=

実際に x に値を入れてみると、次のようになっていくことがわかります。

11,10.1,10.01,,10.00000000001,

このように分子が小さくなっていくため、分数の値はどんどん大きくなって無限に近づいていきます。

負の方向から 0 に近づく

先ほどとは逆に、負の値が小さくなって 0 に近づく場合は以下のように書きます。

limx0f(x)

負の値から 0 に近づけるというのは、具体的には以下のように x の値を変化させるということです。

1,0.1,0.01,0.001,0.0001,,0.00000000001

例えば、f(x)=1x であった場合、この式の答えは次のようになります。

limx01x=

注意が必要なのは、マイナスの無限になることです。

実際に x に値を入れてみると、次のようになっていくことがわかります。

11,10.1,10.01,,10.00000000001,

このように分子がマイナスの値で小さくなっていくため、分数の値はどんどん大きくなって負の無限に近づいていきます。

正の無限に近づく

関数 f(x) における x の値を、+ に近づける場合は以下のように書きます。

limx+f(x)

正の値から 0 に近づけるというのは、具体的には以下のように x の値を変化させるということです。

1,10,100,1000,10000,,10000000000

このように、プラスの値がどんどん小さくなっていきます。ただし、0 にはなりません。

例えば、f(x)=1x であった場合、この式の答えは次のようになります。

limx+1x=+0

実際に x に値を入れてみると、次のようになっていくことがわかります。

11,110,1100,,110000000000,+0

このように分母が大きくなっていくため、分数の値はどんどん小さくなり、正の方向から 0 に近づいていきます。

負の無限に近づく

関数 f(x) における x の値を、 に近づける場合は以下のように書きます。

limxf(x)

正の値から 0 に近づけるというのは、具体的には以下のように x の値を変化させるということです。

1,10,100,1000,10000,,10000000000

このように、プラスの値がどんどん小さくなっていきます。ただし、0 にはなりません。

例えば、f(x)=1x であった場合、この式の答えは次のようになります。

limx1x=0

実際に x に値を入れてみると、次のようになっていくことがわかります。

11,110,1100,,110000000000,0

このように分母が負の方向に大きくなっていくため、分数の値はどんどん小さくなり、負の方向から 0 に近づいていきます。

例題

2に正の方向から近づく極限

limx2+01x2

正の方向から2に近づくということは、2より大きい数値から数を小さくしていって2に近づけるということなので、答えは無限になります。

limx2+01x2=

2に負の方向から近づく極限

同じ問題でも、負の方向から近づけた場合は答えが変わります。

負の方向から2に近づくということは、2より小さい数値から数を大きくしていって2に近づけるということなので、答えは負の無限になります。

limx201x2=

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