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前回は等差数列の練習問題を解きました。
今回から、等比数列について解説します。
等比数列とは
等差数列が、項の差が等しい数列であったのに対して、等比数列は、項の増減の比率が等しい数列のことです。
具体的には、以下のように、ある項に一定の数をかけると次の項となる数列です。
$$3, 6, 12, 24, 48, 96, …$$
これは、項が2倍になって増えていく等比数列です。この倍になる比率(この例では2)を公比と呼びます。
したがってこの数列は、初項 3、公比 2 の等比数列と言えます。
練習問題1
$$-3, -24, -192, -1536, …$$
考え方
等比数列の公比は、ある項の次の項が何倍になっているかを考えればわかります。
一般化すると、等比数列の公比 $r$ は以下のように書けます。
$$r = \frac{a_{n+1}}{a_n}$$
したがって、この数列の公比は、
$$r = \frac{a_2}{a_1} = \frac{-24}{-3} = 8$$
公比が負の場合の等比数列
公比がマイナスである等比数列は、項のプラスとマイナスが交互に入れ替わります。
例えば、初項が 5、公比が -2 の等比数列は以下のようになります。
$$5, -10, 20, -40, 80, -160, …$$
練習問題1
$$6, -9, \frac{27}{2}, -\frac{81}{4}, …$$
$$r = \frac{a_2}{a_1} = \frac{-9}{6} = -\frac{3}{2}$$
等比数列の一般項
等差数列と同じように、等比数列も一般項を定義することができます。
初項 $a_1$、公比 $r$ の等比数列の一般項は、
$$a_n = a_1r^{n – 1}\tag{☆}$$
以下の数列の場合の一般項を考えてみましょう。
$$3, 6, 12, 24, 48, 96, …$$
この数列は初項 3、公比 2 ですから、式(☆)にこれらの値を代入すると、
$$a_n = 3 \cdot 2^{n – 1}$$
実際にnに値を入れて見ると、数列に一致することが確認できます。
$$a_1 = 3 \cdot 2^0 = 3$$
$$a_2 = 3 \cdot 2^1 = 6$$
$$a_3 = 3 \cdot 2^2 = 12$$
$$a_4 = 3 \cdot 2^3 = 24$$
$$a_5 = 3 \cdot 2^4 = 48$$
$$…$$
以上が等比数列の基本です。
練習問題2
$$-3, x, -\frac{1}{12}$$
考え方
等比数列であるから、以下の項の関係が成り立ちます。
$$\frac{a_{n + 1}}{a_n}$$
したがって、
$$\frac{x}{-3} = \frac{-\frac{1}{12}}{x}$$
$$-\frac{x}{3} = -\frac{1}{12x}$$
$$12x^2 = 3$$
$$x^2 = \frac{1}{4}$$
$$x = \pm\frac{1}{2}$$
公比がプラスでもマイナスでも成り立つので、答えは $\frac{1}{2}$ と $-\frac{1}{2}$ の2つとなります。
以上、等比数列の基本と考え方でした。次回は等比数列の和とその公式について紹介します。
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