[数学] 等比数列とその一般項

2016年10月11日(更新: 2018年5月21日)

前回は等差数列の練習問題を解きました。

今回から、等比数列について解説します。

等比数列とは

等差数列が、項の差が等しい数列であったのに対して、等比数列は、項の増減の比率が等しい数列のことです。

具体的には、以下のように、ある項に一定の数をかけると次の項となる数列です。

$$3, 6, 12, 24, 48, 96, …$$

これは、項が2倍になって増えていく等比数列です。この倍になる比率(この例では2)を公比と呼びます。

したがってこの数列は、初項 3、公比 2 の等比数列と言えます。

練習問題1

次の数列の公比はいくらか?

$$-3, -24, -192, -1536, …$$

考え方

等比数列の公比は、ある項の次の項が何倍になっているかを考えればわかります。

一般化すると、等比数列の公比 $r$ は以下のように書けます。

$$r = \frac{a_{n+1}}{a_n}$$

したがって、この数列の公比は、

$$r = \frac{a_2}{a_1} = \frac{-24}{-3} = 8$$

公比が負の場合の等比数列

公比がマイナスである等比数列は、項のプラスとマイナスが交互に入れ替わります。

例えば、初項が 5、公比が -2 の等比数列は以下のようになります。

$$5, -10, 20, -40, 80, -160, …$$

練習問題1

次の数列の公比はいくらか?

$$6, -9, \frac{27}{2}, -\frac{81}{4}, …$$

答えを見る

$$r = \frac{a_2}{a_1} = \frac{-9}{6} = -\frac{3}{2}$$

等比数列の一般項

等差数列と同じように、等比数列も一般項を定義することができます。

初項 $a_1$、公比 $r$ の等比数列の一般項は、

$$a_n = a_1r^{n – 1}\tag{☆}$$

以下の数列の場合の一般項を考えてみましょう。

$$3, 6, 12, 24, 48, 96, …$$

この数列は初項 3、公比 2 ですから、式(☆)にこれらの値を代入すると、

$$a_n = 3 \cdot 2^{n – 1}$$

実際にnに値を入れて見ると、数列に一致することが確認できます。

$$a_1 = 3 \cdot 2^0 = 3$$

$$a_2 = 3 \cdot 2^1 = 6$$

$$a_3 = 3 \cdot 2^2 = 12$$

$$a_4 = 3 \cdot 2^3 = 24$$

$$a_5 = 3 \cdot 2^4 = 48$$

$$…$$

以上が等比数列の基本です。

練習問題2

次の数列が等比数列であるとき、$x$ の値はいくらか?

$$-3, x, -\frac{1}{12}$$

考え方

等比数列であるから、以下の項の関係が成り立ちます。

$$\frac{a_{n + 1}}{a_n}$$

したがって、

$$\frac{x}{-3} = \frac{-\frac{1}{12}}{x}$$

$$-\frac{x}{3} = -\frac{1}{12x}$$

$$12x^2 = 3$$

$$x^2 = \frac{1}{4}$$

$$x = \pm\frac{1}{2}$$

公比がプラスでもマイナスでも成り立つので、答えは $\frac{1}{2}$ と $-\frac{1}{2}$ の2つとなります。

以上、等比数列の基本と考え方でした。次回は等比数列の和とその公式について紹介します。

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