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lim(極限 : limit)を使った基本的な問題の考え方です。
極限の基本書式
$$\displaystyle \lim_{ x \to N }f(x)$$
関数 $f(x)$ の $x$ の値を「$N$」に近づけていった時に、$f(x)$ の値がどうなるかを答えるのが、極限の問題の基本です。
注意が必要なことは、「$N$」に正の方向から近づくのか、負の方向から近づくのかによって答えが変化することです。
正の方向から 0 に近づく
関数 $f(x)$ における $x$ の値を、正の値から 0 に近づける場合は以下のように書きます。
$$\displaystyle \lim_{ x \to +0 }f(x)$$
正の値から 0 に近づけるというのは、具体的には以下のように $x$ の値を変化させるということです。
$$1, 0.1, 0.01, 0.001, 0.0001, \cdots, \overbrace{0.00000\cdot00000}^{\infty}1$$
このように、プラスの値がどんどん小さくなっていきます。ただし、0 にはなりません。
例えば、$f(x) = \frac{1}{x}$ であった場合、この式の答えは次のようになります。
$$\displaystyle \lim_{ x \to +0 }\frac{1}{x} = \infty$$
実際に x に値を入れてみると、次のようになっていくことがわかります。
$$\frac{1}{1}, \frac{1}{0.1}, \frac{1}{0.01}, \cdots, \frac{1}{0.00000\cdot000001}, \infty$$
このように分子が小さくなっていくため、分数の値はどんどん大きくなって無限に近づいていきます。
負の方向から 0 に近づく
先ほどとは逆に、負の値が小さくなって 0 に近づく場合は以下のように書きます。
$$\displaystyle \lim_{ x \to -0 }f(x)$$
負の値から 0 に近づけるというのは、具体的には以下のように $x$ の値を変化させるということです。
$$-1, -0.1, -0.01, -0.001, -0.0001, \cdots, -\overbrace{0.00000\cdot00000}^{\infty}1$$
例えば、$f(x) = \frac{1}{x}$ であった場合、この式の答えは次のようになります。
$$\displaystyle \lim_{ x \to -0 }\frac{1}{x} = -\infty$$
注意が必要なのは、マイナスの無限になることです。
実際に x に値を入れてみると、次のようになっていくことがわかります。
$$\frac{1}{-1}, \frac{1}{-0.1}, \frac{1}{-0.01}, \cdots, \frac{1}{-0.00000\cdot000001}, -\infty$$
このように分子がマイナスの値で小さくなっていくため、分数の値はどんどん大きくなって負の無限に近づいていきます。
正の無限に近づく
関数 $f(x)$ における $x$ の値を、$+\infty$ に近づける場合は以下のように書きます。
$$\displaystyle \lim_{ x \to +\infty }f(x)$$
正の値から 0 に近づけるというのは、具体的には以下のように $x$ の値を変化させるということです。
$$1, 10, 100, 1000, 10000, \cdots, 1\overbrace{00000\cdot00000}^{\infty}$$
このように、プラスの値がどんどん小さくなっていきます。ただし、0 にはなりません。
例えば、$f(x) = \frac{1}{x}$ であった場合、この式の答えは次のようになります。
$$\displaystyle \lim_{ x \to +\infty }\frac{1}{x} = +0$$
実際に x に値を入れてみると、次のようになっていくことがわかります。
$$\frac{1}{1}, \frac{1}{10}, \frac{1}{100}, \cdots, \frac{1}{100000\cdot00000}, +0$$
このように分母が大きくなっていくため、分数の値はどんどん小さくなり、正の方向から 0 に近づいていきます。
負の無限に近づく
関数 $f(x)$ における $x$ の値を、$-\infty$ に近づける場合は以下のように書きます。
$$\displaystyle \lim_{ x \to -\infty }f(x)$$
正の値から 0 に近づけるというのは、具体的には以下のように $x$ の値を変化させるということです。
$$-1, -10, -100, -1000, -10000, \cdots, -1\overbrace{00000\cdot00000}^{\infty}$$
このように、プラスの値がどんどん小さくなっていきます。ただし、0 にはなりません。
例えば、$f(x) = \frac{1}{x}$ であった場合、この式の答えは次のようになります。
$$\displaystyle \lim_{ x \to -\infty }\frac{1}{x} = -0$$
実際に x に値を入れてみると、次のようになっていくことがわかります。
$$\frac{1}{-1}, \frac{1}{-10}, \frac{1}{-100}, \cdots, \frac{1}{-100000\cdot00000}, -0$$
このように分母が負の方向に大きくなっていくため、分数の値はどんどん小さくなり、負の方向から 0 に近づいていきます。
例題
2に正の方向から近づく極限
$$\displaystyle \lim_{ x \to 2+0 }\frac{1}{x – 2}$$
正の方向から2に近づくということは、2より大きい数値から数を小さくしていって2に近づけるということなので、答えは無限になります。
$$\displaystyle \lim_{ x \to 2+0 }\frac{1}{x – 2} = \infty$$
2に負の方向から近づく極限
同じ問題でも、負の方向から近づけた場合は答えが変わります。
負の方向から2に近づくということは、2より小さい数値から数を大きくしていって2に近づけるということなので、答えは負の無限になります。
$$\displaystyle \lim_{ x \to 2-0 }\frac{1}{x – 2} = -\infty$$