阿寒湖市立藻類中学校の数学科において、歴史的な方針転換が発表された。これまでマリモたちは、人間界の数学に基づき円周率を3.14159...と計算することを強いられてきたが、本日より「円周率の暗記は不要」というドラスティックな新カリキュラムが導入された。担当教諭のマリモ・グリーン氏によれば、「我々マリモの体そのものが完璧な球体であり、自己こそが円の真理である」との悟りを開いたという。授業では計算ドリルがすべて破棄され、代わりに「自分の球体度をいかに維持するか」という、哲学と幾何学が融合した謎の儀式が行われている。光合成の効率を無視してまで取り組むこの活動に、保護者からは困惑の声が上がっている。

この背景には、従来の「水流による摩擦で形を保つ」というマリモの習性が、現代数学の複雑な計算式と相容れないという長年の不満があった。マリモ教育委員会は、この「自己完結型算数」が、将来的には「円を超えた多角形マリモ」の育成につながると期待を寄せている。しかし専門家からは、あまりに自己愛の強い算数教育は、将来的に社会から孤立した「超・球体主義者」を生み出す懸念があると指摘されている。なお、テスト形式も変更され、今後は自身の転がり具合から正確な半径を算出する「回転計測テスト」のみが実施される予定だ。

これを受けて世間では「計算式を覚えるより、転がって現実を忘れたい」「ついにマリモたちが数学を超越してしまった」「円周率はただの数字、我々は円そのもの。最高にパンクだ」といった賛否両論の反応が飛び交っている。一方で、阿寒湖の静かな湖底では、今日も算数の教科書を沈めて、円の真理について深く考察するマリモたちの姿が見られるという。