阿寒湖小学校が先月導入した「『丸さこそ正義』という呪縛を解け」という新カリキュラムが、マリモ界に激震を走らせている。これまでマリモの教育現場では、いかに完璧な球体を維持するかがエリートへの切符であり、少しでも歪みが生じれば「不純な個体」として冷遇される風潮があった。しかし、今回の改革では、あえて不規則な形状への変形を促す『アシンメトリー・アート・ボディ育成』が推奨されている。学校側は「真の知性は、球という枠組みから逸脱した先にある」と主張。固定観念に縛られた光合成から脱却し、いびつな形だからこそ得られる水流の妙を学び、新たな個性を創造しようという試みだ。これは単なる形状の変化ではない。長年培われてきた「丸いほど高貴」というマリモ界の価値観を根本から破壊する、革命的なパラダイムシフトである。

本件の背景には、近年のマリモたちの間で見られる「完璧な球体への過度な執着」によるストレスの増大がある。かつては湖底でゆったりと回転していれば許された時代があったが、SNSの普及により、完璧な真球度を競うマウント合戦が過熱していた。この教育改革は、歪んだマリモたちが自身の形状をコンプレックスとして抱える状況を打破し、多様性を認めるための緊急措置でもある。阿寒湖小は、補足として「いびつさこそが生存戦略の最適解」と公表。流線型に近い形状になることで、悪天候時の湖底でも頑強な安定性を確保できると説いている。今後、このカリキュラムが全域に広がれば、水底の風景は劇的に様変わりするだろう。

しかし、この急進的な改革には根強い反対勢力も存在する。古参マリモ教諭たちは「丸さこそが我々の矜持である」と激怒し、校門前で抗議の滞留を続けている。一方で、若手マリモ層からは「ようやく我々の変な形の努力が報われる時代が来た」「歪んでいることがこんなに自由だとは思わなかった」と歓迎の声が上がっている。ネット上では「#歪んでいこうぜ」「#令和のニュー・マリモ像」といったハッシュタグがトレンド入りするなど、その波紋は湖の深層まで広がっている。教育が個の形状まで規定する時代は終わり、自分らしい凹凸を愛する時代へと、マリモ界は今まさに大きな転換点を迎えているのである。

コラムニスト:藻・デ・カルロ