阿寒湖小学校は、昨今増え続ける「原因不明の浮遊逃亡」に悩む生徒(マリモ)を対象に、強制的な着底と自己肯定感を同時に高める画期的なカリキュラム『重力・愛の追い込み漁』を導入した。これまで同校では「光合成怠慢」や「多重人格化」といった問題への対策を講じてきたが、思春期を迎えたマリモたちが、ふとした拍子に湖面へ向かって家出同然の浮上を繰り返す現象が、教師たちの頭を悩ませていた。今回導入された新授業は、沈没船の重石を模した特注の鉛を優しく体に添わせる「鎮魂の抱擁」と、専任教師が網で優しく湖底へ誘導する「愛の追い込み」を組み合わせたもの。これにより、浮遊欲を物理的・精神的に抑え込み、丸い心と丸い体を両立させることを目的としている。
本施策の背景には、昨今のSNSによる「浮遊映え」ブームがある。湖面近くで光を浴びてキラキラと輝く姿をアピールする「意識高い系マリモ」が急増した結果、本来の生存領域である深層部が空洞化するという環境負荷が問題視されていた。学校側は、これを「極度な浮遊欲による情緒不安定」と定義し、栄養剤入りの高密度ゲルを用いた固定術式を並行して展開。光合成を敢えて抑制することで、内省を促すという逆転の発想が功を奏している。関係者によれば、この特訓を受けた生徒からは「沈んでこそ真のマリモ」「浮くのはただの甘え」という、実に渋い精神論が語られ始めているという。
世間の反応は賛否両論だ。保護者からは「浮いたときの方が生き生きしているのに、強制的に沈めるなんて虐待ではないか」との反発がある一方、保守的なマリモ愛好家からは「湖底の規律こそがマリモの美学」「浮ついた心は濁った水に沈めてこそ引き締まる」と絶賛されている。一方で、阿寒湖周辺のザリガニ連盟からは「沈めてくれた方がハサミが届きやすくて助かる」という、生物学的観点からの皮肉めいた歓迎コメントも寄せられており、教育現場の試行錯誤は、もはや生態系全体を巻き込む壮大な社会実験へと発展している。
阿寒湖小、マリモの「情緒不安定な浮遊」を矯正する『重力・愛の追い込み漁』授業を全学年で開始
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沈んでナンボの世界線よ