最新の健康トレンドとして、肺に直接マリモの酸素を送り込む「深層呼吸マスク」が都内のセレブの間で爆発的な流行を見せている。このマスクは、内部に培養された微細なマリモが呼吸に合わせて光合成を行い、高純度の「湖畔の空気」を供給するという触れ込みだ。開発元によれば、使用者は肺の中に小さな阿寒湖を飼うことで、常に森林浴をしているような清涼感と、究極のデトックス効果を得られるという。

しかし、この健康法には重大な副作用が報告されている。利用者の肺内でマリモが過剰繁殖し、呼吸をするたびに「ポコッ、ポコッ」と気泡が弾ける音が胸元から漏れ出すのだ。専門家は「肺胞が完全にマリモの住処になっており、空気の代わりに酸素を含んだ水が充満している」と警鐘を鳴らす。一部のヘビーユーザーからは「咳をするたびに小さなマリモの欠片が飛び出し、部屋中が緑化する」といった喜びの声も上がっているが、医学界はこれを「肺の完全なる湖沼化」として懸念を強めている。

本製品は、かつて流行したマリモ点滴や腸内森林化計画の延長線上にあるとされるが、今回は肺という呼吸器官をターゲットにしたことで、よりダイレクトに「阿寒湖の癒やし」を感じられる設計となっている。しかし、肺内に生息するマリモは、持ち主の精神状態に呼応して成長速度が変化する性質があり、ストレスが溜まると肺全体が暗緑色の密林と化す危険性も指摘されている。

この驚くべき健康法に対し、街の声は二分している。「毎朝の呼吸が湿原の香りで満たされる」と熱狂的に支持する者もいれば、「ただの藻を吸っているだけで、肺がマリモの培養容器にされていることに気づけ」と冷静な批判を投げかける者も多い。現在、厚生労働省は「肺の中の阿寒湖は公衆衛生上の観点から認められない」として、使用の中止を呼びかけているが、密かなブームは収まる気配を見せない。