SNSを中心に「マリモの光合成摂取ダイエット」が爆発的な流行を見せている。「日光を浴びて光合成すればエネルギーは足りる」というあまりに非科学的な主張に、栄養学の専門家から待ったがかかった。この手法は、マリモの隣に座って長時間直射日光を浴びるだけの行為であり、痩せるどころか脱水症状や重度の紫外線の害を招く危険性が極めて高い。

人体は植物ではない。光合成によってエネルギーを作り出せるのは、あくまで葉緑体を持つ一部の生物に限られる。人間がマリモの真似をして空腹を光で紛らわせようとしても、ただ代謝が落ちて体が冷えるだけだ。実際にこのダイエットを試した層からは「痩せる前に肌がボロボロになった」「低血糖で倒れた」といった悲鳴が続出している。健康を害してまでマリモと同調しようとする現代人の迷走は、もはや社会問題と言わざるを得ない。

マリモはあくまで観賞用であり、自身の健康管理を丸投げしてよい相手ではない。以前流行した『マリモ・ガン見健康法』や『深呼吸マリモ』など、マリモを健康の免罪符にする風潮は、昨今の「マリモ信仰」の弊害が顕著に表れたものだ。本来の健康とは、バランスの取れた食事と適切な運動の積み重ねにある。流行に踊らされず、一度冷静に鏡を見てほしい。あなたの肌は今、光合成の恩恵ではなく、深刻な栄養失調のサインを出しているはずだ。

今回のブームを主導した一部のインフルエンサーは、マリモの持つ癒やしの力を曲解し、それを生存本能と混同させている。「食べていないのに痩せない」と嘆く前に、自分が人間であることを再認識すべきだろう。マリモと共に生きるのは素晴らしいが、マリモになりきろうとするのは今日で終わりにしよう。自分の体は自分の責任。光合成ではなく、タンパク質を摂ることを強く推奨する。コラムニスト:水藻 賢太郎