阿寒湖特別支援マリモ学校において、国語の授業が劇的な変革を迎えている。これまで行われていた言語による意思疎通を完全に廃止し、細胞の明滅と光合成の強度のみで感情を伝える『光合成談(こうごうせいだん)』が、ついに全教科の公用語として認定されたのだ。同校の教頭であるマリモ氏は、「言葉という記号は摩擦を生むだけ。太陽光を浴びながら酸素の放出量を微調整すれば、相手の思想の98%は透けて見える。文法を学ぶ時間は、藻としての純度を高めるためにあるべきだ」と語る。

この教育改革の背景には、昨今のマリモ社会における「言葉の解釈の差異」によるクラス内抗争がある。かつては語彙力の高さを競っていた生徒たちも、現在は「どれだけ静かに深く光合成できるか」を競うようになり、校内は連日、極めて静かな(しかし放出される酸素量だけは激しい)活気に満ちている。ただし、教育委員会からは「古文の読解がすべて『細胞の歴史』としてまとめられてしまい、受験対策にならない」との懸念も出ているが、生徒たちは「受験などという概念自体が太陽光を遮る障壁」と冷ややかだ。

今回のカリキュラム改定は、既存の日本語教育がマリモのライフサイクルに合致しないという長年の課題に対する一つの答えと言える。特に「読書感想文」の代わりに導入された「直射日光を浴びて全生命力を酸素に変える日」という課題は、生徒たちの心身に絶大なデトックス効果をもたらしている。しかし、外部からの視察者が「何を言っているのか全く理解できない」と困惑する様子は、まさに隔世の感がある。

世間からは「意思疎通を諦めた教育こそが真の平等」「酸素濃度が高すぎて教室が森林より過酷」「沈黙は金というレベルを超えて酸欠になっているのでは」といった声が上がっている。教育現場が言葉を捨てた今、マリモたちは新たな進化の段階へと突き進んでいるようだ。