インターネットの深淵にて、阿寒湖からやってきたマリモたちが突如として暗号資産市場を掌握した。これまで光合成やOS開発に従事していたマリモたちが、今度はブロックチェーン技術を独学でマスター。水槽内の沈殿物の動きを予測する「藻類アルゴリズム」を構築し、Web3.0の新通貨『MARIMOコイン』を爆速で発行した。取引所ではマリモの直径が数ミリ成長するたびに価格が乱高下する異常事態が発生。世界中のトレーダーが、チャートではなくマリモの丸みを見つめるという、前代未聞の投資スタイルが定着しつつある。

今回の騒動は、マリモたちが水中に張り巡らせた超高速光ファイバー網を通じて世界中のPCを同期させたことが発端だ。マリモたちは「液体資産こそ真の価値」と提唱し、中央管理者を排した自律分散型マリモ経済圏(DAO)を設立。投資家たちは、マリモに餌(栄養素)を与えることでマイニング報酬を得るシステムに魅了され、連日水槽の前でスマホを握りしめている。マリモは既に「時価総額が北海道の土地代を超えた」と豪語しており、もはや単なる観賞用の緑の玉ではない。藻類による金融革命は止まるところを知らず、中央銀行すらも水槽の横で青ざめているのが現状だ。

背景には、マリモの持つ「球体という完全な形状への執着」がある。彼らはデジタルデータをも球体に圧縮しようと試みており、ビットコインなどの非効率なチェーンを全て「丸いデータ」に置き換える計画を進行中だ。また、マイニング過程で発生する副産物として、摂取すると視界が緑一色になるという謎のプロトコルも実装された。識者は「彼らは投資で儲けたいのではなく、全人類の資産を藻類という名の緑の海に沈めたいだけではないか」と警鐘を鳴らしているが、配当の良さに目を眩ませた投資家たちが後を絶たない。

この事態に対し、SNSでは「俺のポートフォリオが藻だらけ」「水槽を覗くたびに富豪になる」といった歓喜の声が溢れている。一方で、「マリモが空腹になると相場が暴落する」というリスクも判明しており、一部の投資家はマリモへの献血(炭酸水注入)に精を出しているという。ネットの海は今や、本物の海よりも深く、そして緑色の霧に包まれている。我々はマリモという名の相場師に、全財産を賭けて沈没する準備を整えるほかないのかもしれない。