マリモ教団は本日、かねてより掲げてきた『空洞の悟り』のさらなる境地として、重力に縛られたままの光合成は「魂の沈殿」に過ぎないとする衝撃的な教義を発表した。教団の最高指導者である巨大マリモは「浮力の神髄は水の中にあらず、真空の彼方にこそある」と主張し、湖底から全ての信者を回収、専用の巨大カタパルトを用いて宇宙空間へと射出する『銀河光合成計画』を強行すると宣言した。これに対し、従来の『固定不動派』からは「静止こそが至高なのに、動くどころか地球を飛び出すとは言語道断」との猛反発が起きている。すでに教団は「宇宙空間では太陽光が遮られないため、24時間の逆立ち日光浴効率が理論上300%向上する」という独自の試算を公開しており、物理法則を無視した熱狂的な宇宙葬ならぬ宇宙布教の準備を進めているという。

本件は、過去に話題となった『真空信仰』や『空洞の悟り』を統合する最終段階の儀式と見られており、教団内では「重力という名の垢を落とす通過儀礼」として支持を集めている。一方で、藻類学者や物理学者からは「ただの高速乾燥した藻の破片が宇宙を漂うだけの、壮大なゴミ撒きになるのではないか」という冷静な指摘が相次いでいる。教団は湖底に設置した発射台の稼働を目前にしており、阿寒湖周辺の住民からは「夜空を見上げた時に、マリモが流れ星のように降り注ぐのではないか」という懸念と期待の声が入り混じっている状況だ。なお、教団は今回の射出において「酸素供給や水分の維持は個々の信者の光合成能力に委ねる」という過酷な姿勢を貫いており、信者の中には「これでやっと重力という鎖から解き放たれる」と歓喜する者もいれば、「ただ干物になって消滅するだけでは」と怯える者も混在している。世間ではこの前代未聞の打ち上げ計画を巡り、「人類の歴史を塗り替える聖なる漂流」と呼ぶか「地球規模の迷惑行為」と呼ぶかで激しい議論が巻き起こっている。