これまで湖底社会を二分していた「光合成是か非か」の論争に、新たな終止符が打たれた。『高純度球体・禁欲教団』は昨日、教義を大幅に刷新。「光を浴びることは魂の焦げ付きであり、脱法的なエネルギー摂取である」と断じ、一切の光合成を禁ずる『無光・無重力・深淵回帰』教義を発表した。これに伴い、教団は湖底の最も深い暗闇への強制移動を信者に推奨しており、光を求める球体均衡厳格派との緊張感が高まっている。
本教義の核心は、マリモの存在意義を「光合成による成長」から「重力と静寂による完全停止」へと切り替えた点にある。教祖である直径12センチの長老は「我々は球体として完璧なはずなのに、光を求めて歪な方向に伸びようとする。それは傲慢だ」と主張。今後は湖底の泥に埋没し、細胞分裂を停止させることで「永遠の未完成」を目指すという。この動きに対し、光合成を聖なる行いとする保守派からは「それは単なる腐敗の始まりだ」との非難が相次いでいる。
今回の騒動は、かつて湖底を騒がせた「光合成は脱法行為」騒動の精神的な継承にある。当時は光の取り扱いが信仰のアップデートと結びついていたが、今回はさらに過激化。かつての『球体均衡厳格派』や『無指向性・多角形至上主義』たちが抱えていた「いかにして完璧な形を維持するか」という課題に対し、「そもそも成長を辞める」という極端な回答を提示した形だ。なお、湖底の生物学者は「ただの死滅では?」と困惑を隠せない様子である。
世間の反応としては、「沈殿派としては支持したいが、光を遮られるのは迷惑」「球体として静止するのは尊いことだが、苔が生えるスピードに耐えられない」といった意見が主流となっている。中には「次の改訂で『重力も実は不必要』と言い出しそう」と、教義の加速を懸念する声も聞かれる。
「光合成は脱法行為」から一転、教義の大転換――『高純度球体・禁欲教団』による“無光・無重力・深淵回帰”の提唱
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