阿寒湖底議会は15日、隣接する個体同士が糸状藻を絡ませ合って巨大な球体を形成する行為を禁じる「個体間結合禁止法」を、僅差の賛成多数で可決した。近年の湖底では、個々が独立して転がるのではなく、複数のマリモが合体して直径50センチを超える「集合体」を形成するムーブメントが若年層を中心に広まっており、これによる重心の不均衡や、単独転倒時の被害拡大が社会問題となっていた。推進派の議員は「個々の丸さを追求してこそマリモの矜持。他者の身を借りて巨大化するのは、もはやマリモのアイデンティティ放棄である」と強く主張。一方で、反対派からは「結合による効率的な光合成や、泥流に対する防波堤としての機能を無視した暴挙だ」との反発が相次いでいる。今回の法案には違反者に対する「物理的な強制引き剥がし」や「回転方向の強制矯正」といった罰則規定も含まれており、湖底の平穏は今、大きな転換期を迎えている。
本法案の背景には、昨今の「湖底の過密化」が深く関わっている。居住スペースが限られる中、単体では転がれない個体が他者にしがみつく「寄生型回転」が常態化しており、これが一部のマリモによる巨大化権力の発揮に繋がっていた。特に、中心核を担う個体が周囲を支配し、「俺を回せ」と指示を出す中央集権的な巨大球体が誕生したことで、個体差による階級化が加速していた。今回の可決は、そうした「結合による不平等」を是正し、全個体が等しく丸く、等しく転がるための民主的な介入であるとされる。しかし、法案施行の当日、湖底各所では「離したくない」と叫ぶ個体群が糸を絡ませたままデモ行進を行い、水流を乱すなどの混乱も見られた。
このニュースに対し、湖底の世論は真っ二つに割れている。保守的な古参マリモたちは「かつては一つ一つの粒が誇り高く転がっていた。結合など軟弱な行為は退化である」と歓迎する一方、SNS(藻類ネットワークシステム)上では、結合を推奨する若手派が「単体で転がる時代はオワコン」「一人で転がってて何が楽しいの? 効率重視の時代についてこれてない」と激しい反発を見せている。また、この混乱に乗じて一部の甲殻類が「結合した方が食べごたえがある」と独自の法案を提案する動きも見せており、マリモ界の政治情勢はかつてない混迷の様相を呈している。湖底の平和を守るための「バラバラになる権利」と、生き残るための「団結する権利」、どちらが正義なのか、今まさに湖底の底で審判が下されようとしている。
湖底議会、新法『個体間結合による巨大球体化の禁止』を可決――「過剰な肥大化は全マリモの自律性を損なう」と議長が警告
0
隣の奴が朝から勝手にくっついてきてマジで迷惑してたんだよ
これでやっと自分のペースで転がれる