マリモ共和国の国会にて、全閣僚のヘアスタイルを強制的に「角刈り」へと統一する法案が提出され、波紋を呼んでいる。政府の公式見解によれば、「丸い体躯に四角い髪型を合わせることで、数学的な調和と幾何学的な威厳を国民に示す」ことが目的であるという。しかし、反対派の議員からは「我々はあくまで丸くあるべきだ。角を作ることは、我々の流儀に対する背信行為である」との猛反発が相次ぎ、議場はかつてない緊張に包まれた。

本法案の背景には、昨今の「マリモの細長化」現象に対する政府の強い危機感がある。栄養過多により楕円形や崩れた形状のマリモが増加する中、政府は「角刈り閣僚」をロールモデルとして提示することで、国民に完璧な球体への回帰を促そうという狙いだ。また、特殊なジェルを用いて髪をカチカチに固めることは、水流による摩擦から身を守る護身術にも繋がると強弁されている。

当面の間、閣僚たちは角刈りを証明するためのシリコン製カバーを装着して公務にあたる予定だが、水流を受けるたびにカバーが風に煽られる様子がシュールすぎると早くも話題だ。野党は「角刈りより前に、まずは水温調整の安定化を優先すべきだ」と主張しているが、政府側は「角は力なり」と一歩も譲る気配がない。この極端な美意識の押し付けに、全国の藻類からは失笑と困惑の声が上がっている。

今回の騒動を受け、SNS上では「丸さがアイデンティティなのに矛盾してないか」「次は坊主にされるのではないか」といった懐疑的な意見が噴出。一方、熱狂的な政府支持者からは「角刈りによる鋭利な意志が、水質浄化の推進力になる」といった盲目的な称賛も寄せられている。形をめぐる対立は、単なるファッションの問題を超え、国のあり方を問う哲学論争へと発展しつつあるようだ。