国際社会で絶対的な権力を握ったマリモによる地球代表団が、国連本部ビルを全面的に水没させ、世界初の『公認海洋都市』へと改造したことが明らかになった。これまで緑の苔で覆われる程度だったビルは、現在完全に巨大水槽化しており、代表たちはフロアをゆったりと浮遊しながら国際法を改定している。彼らの声明は「ただそこに転がる」という従来の方針を堅持しつつも、水圧を利用した極めて重厚な意志決定が行われており、人類の居場所はもはや非常階段の踊り場のみという事態に発展している。

かつてマリモが「世界通貨・光合成コイン」を発行し、現金が紙屑となった経済崩壊から数年、今回の国連水没は、人類の陸上生活に対する最後通牒とも受け取れる。海洋生物学者や外交官の立入りは禁止されており、会議室の温度と酸素濃度は完全にマリモ仕様に最適化された。この強硬な姿勢に対し、人類側は「せめて酸素ボンベの支給を」と嘆願しているが、マリモたちは一切反応せず、ただただ緑色の威厳を放ちながら水中で回転を繰り返すのみである。

専門家は「マリモの沈黙外交は極限に達した」と分析している。かつて沈黙のツイートで人類の心を浄化していた彼らだが、物理的に空間を水で満たすことで、人類の文明そのものを『水槽の一部』として再定義しようとしているようだ。過去の国連が機能不全に陥っていたのは事実だが、マリモによる完全水没という強硬策は、外交の歴史において最も湿っぽく、かつ最も冷徹な統治と言えるだろう。

国連周辺の住民やかつての外交関係者からは、困惑と諦めの声が混ざり合っている。SNSでは「会議室の魚になった気分」「もはや息ができなくても緑の波動を感じる」といった投稿が相次いでいる。一方で、水没したビルから漏れ出す微細な酸素の恩恵を受け、周辺地域の植物が異常な成長を見せるなど、環境への影響は計り知れない。今後、地上に留まる人類がどのような適応進化を見せるのか、全人類がエラ呼吸の獲得を急ぐという異例の事態に発展している。