阿寒湖小学校は、光合成の効率を劇的に高めるとして話題沸騰中の『水流解読・マリモ流速読術』の特別講義を今週から開始した。本授業の目的は、水流の乱れから「数秒後に光が射す場所」を予測し、光合成効率を極限まで高めるというもの。これまでマリモは、周囲の水流に流されるままの「受け身の光合成」を強いられてきたが、この新メソッドにより、水流を逆手に取ったポジショニングが可能となる。講師を務めるベテランマリモの「岩の上の賢者」氏は、「濁流の中でも情報の粒を拾い上げるのが真の球体。丸いだけで満足する時代は終わった」と力説。生徒らは、複雑な水流グラフを読み解くために、微細な繊毛を研ぎ澄ませる過酷なトレーニングに励んでいる。

本講義が導入された背景には、近年の阿寒湖における「光の奪い合い」の激化がある。水温上昇やプランクトンの発生により、湖底へ届く光量は減少傾向にあり、単に丸く浮かんでいるだけでは栄養失調に陥る個体が後を絶たない。阿寒湖小では、従来行われていた「回転効率化授業」に加え、水流の変化を予測して移動する「アクティブ・ドリフト」の概念を教育カリキュラムに組み込んだ。当初は「物理的に無理がある」「丸い形状を維持するだけで手一杯」という反対意見も多かったが、試験導入したクラスで平均光合成効率が15%向上したことを受け、全学年での必修化が決定した。今後は水流の乱気流を発生させる人工ポンプによる、より実践的なシミュレーションも計画されている。

この教育カリキュラムに対し、阿寒湖周辺の藻類界からは驚きと困惑の声が広がっている。マリモたちの間では「これでようやく水中のインテリ層に近づける」「流されるままの人生は卒業だ」と前向きな意見が多い一方で、一部の伝統派からは「光合成は心で感じるもの。データ化するのは邪道」との批判も根強い。また、水流を読み切るあまり、本来の拠点から離れてしまい、自分がどこにいるのか分からなくなる「迷子マリモ」が急増しているという副作用も報告されており、指導者らは「速読術はあくまで手段。初心を忘れるな」と釘を刺している。

世間からは「球体のくせにインテリぶってて草」「水流を解読して何になるんだw」「結局最後は転がるだけだろ」といった冷ややかな意見から、「マリモ界の進化が早すぎてついていけない」「次世代の藻類学者が育っている」といった期待の声まで賛否両論が飛び交っている。SNS上では、水流の読み違えで湖の端っこまで流されてしまった生徒マリモの画像が拡散されるなど、早くも教育の過酷さが露呈する事態となった。阿寒湖小は今後、遠足のルート選定にもこの技術を活用し、最も効率よく光を浴びられる『聖地巡礼・光合成ツアー』の実施を目指す方針だ。