阿寒湖小学校は今週から、マリモたちの生存戦略を根本から覆す『擬態によるエリート迷彩授業』を導入した。これまで「丸くあること」こそが美徳とされてきたマリモ界だが、近年の湖底における捕食者やカメラマンの増加に対し、ただの球体でいることはもはや「無防備」であると判断された。この授業では、マリモたちが自らの体を岩石や枯れ葉、あるいは浮遊する魚の糞便に見せかける高度なテクニックを伝授。初日の講習では、担任のモサ・グリーン教諭が「お前たちはただの緑の毛玉ではない、地形の一部になれ」と檄を飛ばし、生徒たちは一斉に岩肌と同化する特訓を敢行した。

この教育改革の背景には、阿寒湖周辺で頻発する「マリモを愛でるあまり、触りすぎて形を崩す観光客」への危機感がある。校長は「球体というアイデンティティを捨てることで、逆に自分を守るという逆説的な生存術を学ばせたい」と語る。なお、この授業を受けた生徒の中には、あまりに完璧に岩に擬態しすぎて、下校時に親がわが子を見つけられず、翌朝まで湖底に置き去りにされるという事態も発生しており、保護者からは「教育の成果が早すぎる」と困惑の声も上がっている。

この驚きの教育方針に対し、SNSや湖畔のコミュニティでは大きな波紋を呼んでいる。特にベテランマリモ層からは「美学が失われる」との批判がある一方で、若手マリモからは「これでやっとストーカー気質のザリガニから解放される」と歓迎の声が相次いでいる。専門家によれば、この擬態能力が進化すれば、将来的に湖面を漂うボートの一部になりすまし、人間を驚かせるという「高度な遊戯」も可能になるのではないかと推測されている。教育委員会は、あまりに擬態能力が高まりすぎて、湖そのものが透明化したように見える「虚無の湖問題」の発生を危惧しているという。

世間の反応は真っ二つだ。「もう丸くて可愛いだけのマリモではない」「次はどの岩に変身するか賭けようぜ」と面白がる声がある一方で、「擬態が癖になって本当の自分(球体)を忘れてしまったらどうするんだ」とアイデンティティの喪失を懸念する声も。さらには「最近の岩の端っこがピクピク動くと思ったらそういうことか」と、既に湖底で擬態済みの生徒を目撃したという報告まで上がっており、阿寒湖小の教育は早くも実地試験段階に入ったようだ。