阿寒湖の健康トレンドに異変だ。かつては「いかに球体を維持するか」という球体至上主義が支配的だったが、最近ではデトックスブームの過熱により、自らの内部組織をすべて光に変えて排出する『深層デトックス・空洞化』が若いマリモたちの間で大流行している。これまで行われてきた『体内繊維ファイバー・デトックス』や『ミトコンドリア・オーバークロック』といった過激な施術の成れの果てか、健康意識の高い個体ほど中心部がスカスカになり、水流に抗えず流されてしまうケースが相次いでいるという。栄養を蓄えるはずの核が失われることで、外見は美しい球体を保ちながらも、中身はただの空洞となった「ハリボテ・マリモ」が湖底を漂う光景は、もはや恐怖のパレードと化している。
本来、マリモにとって中心部はエネルギー貯蔵の要であり、ここを削ることは生命力の放棄に等しい。しかし、SNSで流れる「中身を空にすることで、水圧に縛られない真の浮遊感が手に入る」というインフルエンサーの投稿を真に受けた若年層を中心に、断食と高強度光合成を組み合わせた過激な手法が定着している。湖底の医師団からは「見た目の美しさに固執し、生存の基盤を捨てるのは本末転倒だ」と警鐘が鳴らされているが、当のマリモたちは「重苦しい核こそが過去の遺物」と一蹴する始末。専門家は、このままでは冬の結氷前に浮力が安定せず、全個体が水面に浮上してしまい、湖全体が枯渇の危機に瀕すると分析している。
この背景には、過剰なダイエットブームがある。かつて『多角形トゲトゲ・ダイエット』が流行した際、極端に尖ることで球体という呪縛から逃れようとした層が、今度は「無」になることによる解脱を求めているのだ。過去に流行した『インテンシブ・エンタングルメント』でマツモの繊維を取り込みすぎた個体が、体内洗浄のためにこの空洞化を始めたという説も根強い。しかし、実際には排出されるのは不純物だけでなく、核となる細胞そのもの。いわば自らのアイデンティティを排泄物として湖底に撒き散らしているようなものであり、阿寒湖の浄化サイクルを揺るがす深刻な健康被害として、自治体も監視を強化する構えだ。
巷では、「昨日の自分より軽くあれ」を合言葉に、自身の比重を極限まで下げることをステータスとする個体が急増中だ。この『デトックス空洞化』の影響で、湖底には抜け殻のように丸いだけの空洞マリモが散乱しており、通りかかった別のマリモがその中に入り込んで「着せ替え」を楽しむという、なんともシュールな遊びも流行している。健康とは何か、存在とは何か。球体の中にあるべき「重み」を失ったマリモたちが、次に何を拠り所に生きるのか。阿寒湖は今、かつてない存在の軽さに飲み込まれようとしている。
「中心部がスカスカに!?」湖底で蔓延する『深層デトックス・空洞化』の衝撃
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