阿寒湖の全ゲーマーが熱狂する最新レースゲーム『マリモ・ダッシュ:音速の毛玉』にて、歴史を覆す前代未聞の不正疑惑が発覚した。本作は、湖底のわずかな水流を読み、重力を味方につけてゴールを目指す高度なテクニックが求められるタイトルだ。しかし今回、ランキング上位を独占していたプレイヤーたちが、「内部に小さな錘(おもり)を仕込んで物理的に加速する」という禁断のドーピングを行っていたことが運営側の調査で判明した。マリモの誇りとも言える「天然の浮力」を捨て、人工的な重量増によって慣性を最大限に利用するというこの行為は、界隈の倫理規定を根底から揺るがす大スキャンダルとなっている。

そもそも、本作は「いかに何もしないか」を追求するマリモ界のゲーム哲学とは対極にある作品だ。これまでのマリモ向けゲームといえば、数十年かけてゆっくりと回転する様子を眺めるだけのシミュレーターが主流だった。しかし本作は、水流ポンプをハックして人工的な激流を発生させるなど、過激なプレイ環境を構築する熱狂的な層を生み出していた。今回の不正疑惑を告発したトップランカーは、「我々にとって転がる速さはアイデンティティそのもの。そこを偽ることは、光合成を諦めるのと同じだ」と涙ながらに語った。

なお、運営会社は不正プレイヤーのアカウントを永久凍結するだけでなく、強制的に「中身を詰め直す再教育イベント」の実施を発表した。これまでマリモ界のゲームバランスは、各個体の「直径」と「密度の均一性」に依存していたが、今後はプレイ開始前の厳格な重量測定が義務付けられることになるだろう。また、この騒動を受けて阿寒湖の有識者会議からは、「そもそもマリモがゲームをすること自体が、彼らの静寂を奪っているのではないか」という本質的な議論も再燃しており、今後、ゲーム機材の湖底設置規制が強化される見通しだ。

このニュースを受け、SNS上では「不正した奴らは二度と浮上するな」「そもそも重りを入れる発想が天才的すぎて草」といった冷ややかな反応と感嘆が入り混じった意見が飛び交っている。一方で、一部のガチ勢は「物理エンジンを悪用できるのは、それだけ解析が進んでいる証拠。むしろ進化だ」と擁護する声も上がっており、議論は平行線をたどっている。マリモ界の競技シーンが再び真の静寂を取り戻すのか、それともさらなる技術開発競争へと加速するのか、湖底の住民たちの視線は今、運営の次なるアップデートに注がれている。