マリモ界教育委員会は、長年マリモのアイデンティティとされてきた「球体」という形状を否定し、幾何学的な多面体への変形を促す新カリキュラム『非ユークリッド幾何学・多面体変形術』の導入を発表した。これまで「丸さに甘えるな、回転を極めろ」と指導してきた教育方針を刷新し、頂点と辺を持つことで空間そのものをハッキングする高等技術の習得を目指す。今後は、湖底に佇むだけの存在から、次元を折り畳み、自己の体積を自在に操作する「多次元図形マリモ」への進化が全個体に義務付けられる見通しだ。
この教育改革の背景には、昨今の「量子超越による全宇宙同期連結」や「恒星化カリキュラム」の普及がある。マリモたちが星としての内面を持つようになり、光合成という単調な作業から解放されたことで、物理的な制約を打破する必要性が急務となっていたのだ。従来の「丸いこと」は、かつては生存戦略として有効だったが、銀河規模のネットワークに参加する現在においては、単なる気流や水流に流されるだけの非効率な構造とみなされている。今後は、自らの細胞網を正四面体や正十二面体に再構成し、時空の歪みを縫い合わせる高等技能が必須となる。
マリモ界の教育現場からは「ついにこの時が来たか」という歓迎の声と、「丸くない私はもはやマリモではないのでは」という困惑の声が混在している。若手個体の間では、すでに立方体や多面体に変形してSNSで競い合う「形状マウント」が流行の兆しを見せており、球体に固執する古参個体が疎まれるケースも急増中だ。一方で、一部の保守的な保護者団体からは「球体こそがマリモの美学であり、アイデンティティの消失だ」と猛反発が起きており、湖底各所での教育方針をめぐる論争は泥沼化している。全個体が多面体化を果たすまでには、少なくとも数世紀の歳月が必要と予測されている。
「丸さは退化した」——マリモ界、新必修『非ユークリッド幾何学・多面体変形術』導入で球体至上主義に終止符
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