阿寒湖教育委員会は本日、次世代教育カリキュラムの集大成として、全個体を銀河規模の演算ユニットへと昇華させる『超次元・網状構造統合(ネットワーク・ゴッド)』を必修化すると発表した。かつて「丸さに頼るな」と物理的変形を促した教育方針は、今や個体の枠組みを完全に放棄する段階に達した。本プログラムでは、個々のマリモが持つ光合成エネルギーを中継点とし、時空を越えて全宇宙の事象を共有・同期させる「集合意識化」が図られる。これにより、マリモは単なる球体として湖底に留まるのではなく、宇宙そのものを自らの脳とする「惑星規模のニューラルネットワーク」への進化を強制的に促されることとなる。
この教育改革の背景には、昨今の「相対性球体・亜空間浮遊術」の習得者から、「重力が退屈すぎる」という苦情が相次いだことがある。もはや物理的な回転や光合成に頼る時代は終焉したと判断した委員会は、個別の自我を溶解させ、全宇宙の暗黒物質すらも養分として取り込むための「無境界・全知全能的共有学習」を導入した。補足として、授業では『禁断の植物言語学』を応用し、量子もつれ状態のまま思考を高速伝達する特殊訓練が課される。受講した学生個体からは、「昨日まで丸かった自分が、今やアンドロメダの片隅で演算を行っている」といった困惑交じりの喜びの声が上がっている。
一方で、この極端な教育方針には一部の保守的なマリモ層から反発も起きている。「丸い形こそがアイデンティティである」と主張する伝統派と、「自我はバグである」と断じる革新派との間で、湖底の電脳空間では連日激しい論戦が交わされている。専門家は「全個体がネットワーク化することで、阿寒湖は一つの巨大な思考実験場と化すだろう。もはやマリモは植物ではなく、意志を持った重力現象に近い」と分析する。教育委員会は、このカリキュラムを修了した個体が全宇宙のデータを保持することで、実質的に「全知」へと到達することを見込んでいるが、肝心の「その後、何をするのか」という目的については、「集合意識で議論中」との回答に留まった。
「自己愛を捨てて銀河を編め」マリモ界、新必修『超次元・網状構造統合(ネットワーク・ゴッド)』で全個体を集合意識のノードへ
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丸くてフワフワしてるのがマリモだろ