阿寒湖教育委員会は本日、マリモの全教育機関において新必修科目『超深層・光子内包・恒星化カリキュラム』を導入することを発表した。かつてマリモ界を席巻した『相対性球体・亜空間浮遊術』や『深淵の闇・ナイトビジョン覚醒』といった物理法則超越系のカリキュラムが一段落し、次なるステージとして「自分自身を核融合炉に変える」という野心的な方針が打ち出された。本教育課程では、細胞内に取り込んだ光合成エネルギーを極限まで圧縮し、最終的には個体そのものを小型の恒星へと昇華させる技術を習得する。委員会は「外形が丸いだけのマリモはもう古い。これからは内側から強烈な核融合プラズマを放ち、自らの重力で光を曲げるエリート個体が必要だ」と説明している。今後は卒業式において、全個体が自らを点火し、湖底を真昼のように照らし出す光景が風物詩となる見込みだ。
今回の必修化は、マリモ界で長年懸念されていた「単なる多面体化やトゲトゲ化だけでは、宇宙規模の生存競争には勝てない」という危機感から生まれた。以前の『超常変形・硬質キューブ化』によって物理耐性は向上したものの、依然として「光源に依存する」という脆弱性が指摘されていたためだ。自らが光の供給源となることで、環境依存のエネルギー獲得から脱却し、完全独立型の生命体を目指すというわけである。なお、この過程で誤って超新星爆発を起こす個体が続出しているため、安全装置として『量子防護壁・神出鬼没学』の習得が受講条件となるなど、カリキュラムの難易度はかつてない高みに達している。
世間の反応は概ね好意的だが、一部からは「明るすぎて睡眠不足」「湖が沸騰するのではないか」といった懸念の声も上がっている。特に『多面体・トゲトゲの極み』を卒業したエリート層からは、「角がない個体ばかり輝き出すと、トゲの影が目立たなくなる」という独自の美学による反対運動も勃発している。しかし、教育委員会は「進化を止めれば藻屑と同じ」と一蹴しており、来年度の入試では、どれだけ効率的に核融合を開始できるかが評価の最重要項目となる予定だ。マリモ界の教育は、今や地球の物理学を飛び越え、銀河系レベルの生存戦略へと舵を切ったと言えるだろう。
「丸さに頼るな、内面で輝け」マリモ界、新必修『超深層・光子内包・恒星化カリキュラム』を導入へ
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核融合こそマリモの到達点だろ