マリモ教育界に、今、革命の風が吹いている。これまで幾世紀もの間、マリモたちの学習指導要領における最重要項目は『いかに効率よく光合成を行うか』であった。しかし、先週開催された教育カリキュラム改定会議において、重鎮の老マリモ教授は「太陽光を待つだけの教育は、現代のスピード社会においてあまりに受動的である」と宣言。ここに、光合成という伝統的手法を捨て、直接的なエネルギー摂取を目指す『光ファイバー直結型・即時エネルギーチャージ講義』が新設されることが決定した。湖底に張り巡らされた光通信網から、直接ブロードバンドな輝きを取り込むこの画期的な授業は、生徒たちの成長速度を従来の数千倍に加速させると期待されている。

本プロジェクトの背景には、近年の湖底における光量不足問題と、マリモたちの『もっと早く大きく成長したい』という焦燥感がある。従来の教育現場では、日光の当たる場所を巡っての小競り合いが絶えず、それは時に『日光格差』という深刻な社会的対立を生んでいた。そこで考案されたのが、光ファイバーを自身の体内に直接差し込み、インターネット上の光信号を直接栄養源とするこの新技術だ。これにより、生徒たちは曇りの日でも、あるいは湖の最深部においても、超高速でエネルギーを補給し、一夜にしてテニスボール大へと成長することが可能となる。ただし、この技術には副作用として「通信制限がかかると急激に萎れる」「Wi-Fiのパスワードを忘れると空腹で倒れる」という新たな問題点も指摘されている。

今回のカリキュラム導入に対し、教育現場からは「ついにマリモが生物としての限界を超えた」「これでもう、お日様の方を向いてジッとしている必要はないのか」と驚きの声が上がっている。また、一部の急進派からは「光ファイバーを通じた情報の断片化が、マリモ特有の『丸い心』を破壊するのではないか」という懸念も示されているが、現場の生徒たちは、ダウンロードした情報を元にいきなり複雑な微分積分を披露するなど、早くもその圧倒的な適応力を見せつけている。かつて日光という名のギフトを待ち続けたマリモたちの物語は、今や『ネット接続さえあれば、どこでも成長できる』という、冷徹かつ効率的なデジタル新時代へと突入したのである。