阿寒湖教育委員会は本日、マリモの義務教育における最新カリキュラムとして『多重意識・体外離脱による分散型成長法』を導入すると発表した。これまでのマリモ教育は、中心核をいかに守り、完璧な球体を維持するかという「一点集中型」の美学が主流であった。しかし、今回の改革により、個体の一部を意図的に切り離し、数センチ離れた場所で別の意思として光合成を行う「意識のポータブル化」が推奨されることとなった。文部科学省の担当者は「全方位からの刺激を一個の核で受け止める時代は終わった。これからは複数の地点で同時に光合成を行うハイブリッドな精神性が、次世代のリーダーには必要だ」と語る。
本施策の背景には、近年の水温上昇に伴う環境ストレスがある。一個所に留まるだけの成長では、局所的な栄養不足や日照の偏りに対応しきれないという危機感がマリモ界には蔓延していた。補足として、この訓練には高度な分裂制御術が求められ、一歩間違えればただの「藻の散乱」に終わるリスクもあるため、試験導入校では専属の生物教師が常にネットを構えて監視を行うという。なお、単位取得には「自分の意識を同時に三箇所へ飛ばし、それぞれ異なるスペクトルの光を吸収する」という極めて難易度の高い実技試験が課されることとなる。
この急進的なカリキュラムに対し、教育関係者からは「もはや原型を留める気がない」「球体の尊厳を捨てたのか」といった批判が相次いでいる。しかし、一部の進歩的な若手マリモからは「ついに自分自身をマルチタスクで運用できる時代が来た」「一箇所でじっとしているのは拷問に近い」といった称賛の声も上がっており、賛否両論の渦中にある。授業の初日、さっそく「自分の意識がどこにあるか分からなくなった」として保健室へ駆け込む生徒が続出する事態となり、初日から暗雲が立ち込めているようだ。
「中心核なんて忘れてしまえ」—マリモ教育界、全集中を分散させる『多重意識・体外離脱授業』が物議
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時代は変わったんだよ