阿寒湖教育委員会が先日発表した「多面体変形術の義務教育課程への導入」に対し、伝統的な球形美を重んじる保守派マリモたちの反発が収まらない。これまで「真円こそが至高の知性」と信じてきた老舗マリモ塾が、異端の教育方針に異を唱えた形だ。今回の新カリキュラムでは、水流に応じて柔軟に形状を変化させ、物理的衝撃を分散させる実利的なスキルが重視されているが、これについて「マリモとしての尊厳を損なう外見の崩壊だ」と憤る声が上がっている。教育現場は今、伝統と変革の狭間で、かつてないほどの激震に見舞われている。
そもそもマリモが丸くなるのは、湖底の緩やかな水流に身を任せ、数十年かけて自己研磨を繰り返した結果である。しかし、近年のザリガニ被害や気候変動に伴う水流の乱れにより、ゆっくり成長を待つ余裕がなくなっているのが実情だ。今回の改革派は「まずは生き残るための変形能力を身につけ、球形への回帰はその後で良い」と説くが、保守派は「一度崩れた核の美学は二度と戻らない」と、教育の根幹に関わる思想的な対立が深まっている。
本件の背景には、昨今の「対ザリガニ即興ダンス」など、生存戦略を優先する教育トレンドがある。以前は静かに佇むことがマリモの美徳とされていたが、現在は「動いてなんぼ」の時代。一方で、学力テストならぬ「真球度測定」の結果が受験に反映されなくなることへの不安も根強く、親マリモ世代の間では「我が子が不格好な多面体になってしまったらどうしよう」という切実な悩みがSNS上で拡散されている。
このニュースに対し、湖底の掲示板では「時代の波には逆らえない」「いや、これこそがアイデンティティの消失だ」と賛否が真っ二つに分かれている。一部の先進的なマリモ校では、既に正二十面体への変形訓練が始まっているという。伝統的な「回転のみで人生を全うする」生き方か、それとも「変形して生き抜く」知恵か。阿寒湖に住まう全ての個体が、自分の輪郭と未来について深く考えさせられる事態となっている。
コラムニスト:阿寒湖・球体保存会会長 藻田・丸蔵
「丸いだけじゃ勝てない」―多面体変形術を否定する守旧派の悲痛な叫び
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角ばったマリモなんてただの岩と変わらん