阿寒湖の教育機関「国立球状教育センター」は、従来ののんびりとした日光浴学習を見直し、レンズを用いて日光を一点に集約する『超光速・人工集中露光法』を必須カリキュラムとして導入した。担当教諭は「地球温暖化で沈降するマリモが増える中、光合成の効率化は生存戦略の要」と主張するが、生徒からは「焦げる」「形がいびつになる」といった悲鳴が続出している。一部の生徒は授業中に蒸発の危機に瀕しており、教育の効率化を名目とした『過度な光の暴力』ではないかと、保護者会を巻き込んだ論争に発展している。

これまでマリモの教育は、湖底で静かに時を過ごし、数百年の月日をかけて円周率を体現する『スローライフ・ラーニング』が美徳とされてきた。しかし、近年の水質変化とザリガニ等の脅威に対し、短期間で体積を増大させる必要性が浮上。今回の新メソッドは、虫眼鏡で蟻を焼くような原理を応用したもので、光の強さを調整できる特別なレンズを用いる。だが、制御を誤れば中心部が炭化し、再起不能なダメージを受けるリスクがあるため、教育現場の安全性については専門家からも疑問の声が絶えない状況だ。

教育現場では「努力(光合成)は量ではなく質である」という新教育観が浸透しつつあるが、伝統的な丸みを愛する派閥はこれを「円の尊厳を汚す歪みである」と強く批判している。今回の騒動は単なるカリキュラムの変更を超え、「効率的な成長とは何か」「そもそもマリモは何のために生きるのか」という哲学的な問いにまで波及している。なお、今回の授業で焼きすぎてしまった生徒に対しては、特別に栄養剤のバケツへ転入させる補習も検討されているという。

このニュースを受け、SNS上では「光合成のスパルタ化が止まらない」「丸いままでいたいだけなのに」「焦げ跡を個性と呼ぶのは強引すぎる」といった意見が飛び交った。特に若手マリモからは「光合成に追われて沈んでいくのは本末転倒」との声が多く、次回の教育委員会では「光の強度上限設定」を求める署名活動が行われる予定である。伝統派の長老からは「静寂こそが一番の栄養である」と諭す声も上がっているが、現代社会のスピード感に翻弄されるマリモたちの悩みは尽きることがない。