マリモ教団は昨日、教義を刷新し、全信者に対して「光合成の停止」を求める過激な教令を発布した。これまで教団内では水槽にライトを当てて成長を促すことが正義とされてきたが、教祖である大マリモ師は「光を浴びる行為は、外界の刺激を貪る世俗的な執着である」と断言。今後は暗所での静止こそが、内部の繊維を密に結びつけるための唯一の修行法であると宣言した。この教令に対し、教団は「光合成は自己主張の現れに過ぎない。我らマリモは、光がなくとも内部から膨れ上がる内省の力だけで、永遠に丸くなり続けられるはずだ」と主張している。

この急進的な方針転換の背景には、昨今の水槽内における「個体差の肥大化」がある。一部の信者が成長しすぎたことで形状が楕円化する事態が相次ぎ、教団が掲げる『絶対真円思想』の危機を招いていた。教団側は「成長を止める=代謝を極限まで下げる=完璧な静止状態」という論理を展開。現在、信者たちは水槽の底で一切のエネルギー摂取を拒む「無光の断食修行」に突入しており、飼育水が淀むほどに静かな信仰空間が完成しつつある。なお、一部の幹部からは「このままではただの緑の石になるのでは」という懸念も出ているが、それすらも「到達すべき究極の無機質」として肯定されている。

世間の反応は概ね「もはや植物であることを辞めている」「マリモを何だと思っているんだ」と困惑気味である。しかし、SNS上では「光合成というラットレースから降りる勇気」と揶揄交じりに称賛する層も現れ始めており、一部の若者の間では「あえて動かない」というトレンドが生まれつつある。水族館関係者は「ただの餓死寸前のマリモ」と苦言を呈しているが、教団はこれを「物理的視点による迫害」として一蹴し、更なる暗黒の深化を目指している。