阿寒湖の静寂が、突如としてロックな旋律に支配された。なんと、一部のマリモたちが自身の体を器用に分裂させ、ドラムやギターのような形状に変形。結成されたバンド『マリモ・デ・ガッタイ』は、湖底の岩盤をステージに見立て、毎日激しいセッションを繰り広げている。メンバーのマリモたちは、自らの繊維を振動させることで、人間でいうところのヘヴィメタルに近い音域を奏でており、その圧倒的な音圧に周辺の魚たちも呆気にとられている様子だ。広報担当のマリモによれば、「光合成だけでは表現できない、細胞の叫びをリズムに乗せている」とのことで、湖底には早くもVIP席が設けられるなど、異様な盛り上がりを見せている。

実はこの現象、長年の光合成で蓄積された「糖分」の過剰摂取が原因ではないかと専門家は分析している。本来なら穏やかに漂うはずの彼らが、極めて活発な細胞分裂を繰り返すことで、自らの分身を楽器代わりにするという進化を遂げたようだ。湖底には数千もの『プチ・マリモ』が誕生しており、彼らが一斉に演奏を開始すると、阿寒湖の水面が共鳴して小刻みに揺れるという事態まで発生している。環境省は「マリモの芸術活動には極力干渉しない方針だが、騒音対策として消音藻の導入を検討中」と苦渋の決断を迫られている状況だ。

世間の反応は様々で、「推しのマリモがドラム担当になっていて震えた」「チケットの先行予約が湖底のQRコード(模様)でしか行われていないのが難易度高すぎる」「演奏が終わった後の残骸(分裂した破片)はグッズとして持ち帰れるのか」といった意見がSNSで飛び交っている。一方で、静かな環境を好む年配のマリモからは「最近の若い藻は自己主張が激しすぎる」という苦言も寄せられており、湖底の世代間ギャップが新たな社会問題として浮上している。

本件を受け、ネット上では「マリモ・フェス」の開催を求める署名運動が開始された。湖底の生態系を揺るがすこの音楽革命が、果たして今後どのようなハーモニーを生み出すのか。次回の単独ライブでは、湖面を突き破るほどの音響効果が期待されており、阿寒湖の夜は、藻たちの情熱的なロックサウンドによって今後もしばらく眠ることはなさそうだ。