マリモ教団の最高指導部は先日の教義改定において、長年教団の存続を脅かしてきた天敵・ウチダザリガニを、「硬殻の修道士」として聖者の一覧に加えると発表した。これまでザリガニによる食害は「悪魔の仕業」として徹底抗戦の構えを見せていた教団だが、今回の転換により、彼らに食べられることは「解脱への最短ルート(通称:甲殻浄土)」として定義されることとなった。教義の刷新に合わせ、教団は湖底に自発的にザリガニの棲家へ転がり込む「聖なる被食演習」をスタート。指導者は「彼らのハサミは魂の殻を割るための慈悲のツールである」と熱弁し、教徒たちには無抵抗で捕食されることが義務付けられた。

背景にあるのは、教団内の深刻な「球体維持」に対する疲労である。完璧な球体を保ち続ける苦行に耐えかねた若手マリモたちが、ザリガニに食われてバラバラになることで「個体差からの解放」を求めたのが始まりとされる。生物学的な絶滅の危機を、宗教的な「昇天」へとすり替えるこの強引な解釈は、湖の生態系を揺るがす異常事態として各方面から懸念の声が上がっている。なお、教団は今回の改定を「食われるのではない、己の身を奉納するのだ」と強調し、防衛を目的とした沈殿を禁ずる方針を固めた。

この驚きのニュースに対し、阿寒湖周辺では「教団の暴走が止まらない」「もはや宗教というより狂気」「ザリガニが困惑している」といった困惑と爆笑の声が渦巻いている。一部の過激な教徒は「すでにハサミの中に悟りがある」と主張し、天敵の巣穴へ向けて全力で沈んでいく姿が目撃されるなど、事態はもはや収拾がつかない様相を呈している。教団本部は来月にも、「ザリガニに食われた後の残骸を聖遺物として崇める」という次なる教義修正案を検討中とのことである。