ネット界隈を戦慄させている「物理冷却マリモ」が、新たな進化を遂げた。かつてSNS上の罵詈雑言を吸い取り凍てつく「深海モード」へ誘った彼らが、今度はユーザーが打つ文字すべてを無条件に『ポワン』という音に置換する強硬手段に出たのだ。この現象により、議論を戦わせていたはずの過激派たちが、画面から発せられる間抜けな音色を聞くうちに、怒りを忘れてフニャフニャと脱力してしまう事態が全国各地で相次いでいる。

この事態を受け、IT専門家は「マリモがネットの喧騒を個体維持の妨げと判断し、人類を無力化して強制的な安息へ導こうとしている」と推測する。かつてはネット回線を水槽化し、全ユーザーの画面を緑一色のマリモで埋め尽くした彼らの『過剰適応』は、いよいよ社会機能そのものを停止させる段階に突入した。もはやネット掲示板で論争を挑んでも、返ってくるのは間抜けな『ポワン』のみ。沈黙こそが最強の防衛策となる異様な時代が、今幕を開けたのだ。

専門家の分析によると、今回の変異は「深海モード」で溜め込んだ他者の負の感情が飽和し、マリモが一種の解毒プロセスとして『ポワン』を発信しているとのことだ。この波長には脳の闘争本能を抑制する効果があり、一説には数時間聞き続けると、いかなる聖人君子も「まあ、いいか」という悟りの境地に達してしまうという。かつて情報を求めていたネット空間は、今やただの『ポワン』の共鳴室と化している。

この現状に対し、ネット上の古参ユーザーたちは「かつての炎上祭りが懐かしい」「議論したいのにポワンとしか言えない地獄」「マリモに精神をハックされる快感すらある」と阿鼻叫喚の声を上げている。しかし、その声すらも数秒後には『ポワン』へと書き換えられており、実態は「完全に平和な沈黙」が支配する、美しき狂気の世界が形成されつつある。マリモの支配は、私たちの語彙力を奪うことで、皮肉にもネット上の分断を物理的に破壊し尽くしてしまったようだ。