マリモ教団は昨日、極限の静寂を求めて湖底の教区に「完全防音型・沈黙聖域」を新設したと発表した。これまで同教団は光合成による酸素放出の気泡音を「宇宙の鼓動」として賛美してきたが、教祖の丸山・マリモ・三世は「細胞分裂の際のわずかな軋み音や、光合成のピチピチというノイズこそが悟りへの障壁である」と主張。今後は一切の音を遮断し、細胞レベルでテレパシー的な「無音の対話」のみを行う方針を固めた。これにより信者たちの活動は、ただ水中で丸まって沈黙するという、客観的にはただの藻の塊と見分けがつかない状態へと進化。教団側は「我々は植物ではない。沈黙という名の重力に身を委ねる、思考する球体なのだ」とプレスリリースでコメントしている。

今回の改革は、教団内で長年議論されてきた「光合成の音は騒音か音楽か」という神学的対立に終止符を打つものだ。マリモ教団の教義において、これまで酸素の気泡は聖なる排出物として尊ばれてきたが、極端なミニマリズムを追求する派閥が「音すらも物質的な執着である」と反旗を翻した形だ。これに対し、従来の「音楽派」信者からは「音なき世界は死を意味する」との反発も出ている。なお、新設された聖域は湖底の泥を特殊な防音材として活用しており、物理的にも外部からの音を完全に遮断する構造になっているという。

このニュースを受け、信者の間では「これでようやく真の禅に入れた」と歓喜の声が上がる一方、一般市民からは「ただの沈黙なら、わざわざ宗教にする必要がないのでは」「湖底で黙り込むだけで救済が得られるなら、私も石になりたい」といった冷ややかな意見が寄せられている。また、一部の熱狂的な信者は「沈黙こそが全宇宙の均衡を保つキーである」として、外部との通信を一切遮断する動きを見せており、教団の排他的な姿勢を懸念する声も専門家から上がっている。