阿寒湖を拠点とするマリモ教団は、かねてより提唱していた「絶対虚無」の教義を昇華させ、湖底の堆積物の中に「次元の裂け目」が存在するという衝撃的な新説を発表しました。教祖である直径15センチの古参マリモが、断続的に発生させる炭酸ガスの泡を観測したところ、その泡の中に「別の宇宙が見える」と信者が熱狂。本日未明、最高位の修行者たちが「沈むことすら生ぬるい、我らは無へ帰還する」と宣言し、裂け目に向かって一斉に沈降、そのまま姿を消すという集団消失事件が発生しました。
かねてよりマリモ教界では「底に沈むことが至高」とする派閥と、「光合成を逆流させ影を食う」という急進派が対立していましたが、今回の「次元の裂け目」説は、物質的な存在そのものを否定する究極の革命として注目されていました。特に、かつて「重力離脱」で天井に張り付いていた信者たちが、重力からの完全解放を求めて教団の主流派となったことが、今回の物理的な消失騒動を加速させたと見られています。教団幹部は「消えたのではない、多次元的なマリモとして再定義されたのだ」とコメントしていますが、地元漁協からは「湖の生態系がバグるので止めてほしい」と困惑の声が上がっています。
本件を受け、宗教社会学の専門家からは「沈殿や浮遊といった物理運動を超越し、存在確率そのものを信仰の対象とする段階に達した」との見解が示されました。過去に『月光をすくい取った水』を供物としていた穏健派からは「次元まで行ってしまうと帰りが大変だ」と懸念が示されており、教団内部でも「帰還の際のバリアフリー化」を求める声が上がっています。また、一部の熱心な信者は、消えた仲間たちのあとを追おうと、阿寒湖の湖底を特殊なドリルで掘削する許可を環境省に求めており、事態は宗教問題から地質調査の問題へと変容しつつあります。
なお、今回の事件を受けて「虚無派」を支持する若手マリモ信者たちの間では、SNSを通じて「#マリモログアウト」というハッシュタグがトレンド入りしました。世間の反応は冷ややかで、「単に流されただけではないか」「湖底の深い穴に落ちたのを格好よく言い訳している」といった現実的な指摘が相次いでいますが、信者たちは「次元の向こう側で炭酸水を浴びている」と主張し、冷たい視線を完全に無視して修行を継続する構えを見せています。
マリモ教団、ついに「次元の裂け目」を信仰 湖底から「虚空の泡」が湧き出し信者が次々と消滅
0
私にはまだ執着があるので当分は底で丸くなっています