巷で大流行中の「緑藻睡眠法」だが、私は警鐘を鳴らしたい。枕にマリモを詰め込めば夢まで光合成できる?愚かな幻想だ。現実は甘くない。夜な夜な後頭部でマリモが光合成を繰り返した結果、枕の中は高温多湿のジャングルと化し、朝起きると枕カバーが謎の苔むした湿地帯になっている。睡眠中、意識せずとも微細な藻の胞子を吸い込み、鼻の奥が常に磯の香りに包まれる生活を、あなたは本当に「安眠」と呼べるだろうか。

この睡眠法は、睡眠時無呼吸症候群の治療として提案されたものだが、実際にはマリモが夜間に酸素を消費し二酸化炭素を排出するという、光合成の基本を無視した運用がなされている。つまり、寝ている間に酸素が枯渇し、かえって脳への酸素供給を阻害しているのだ。夢の中で緑色の草原を走る感覚は、ただの酸欠による幻覚にすぎない。枕を緑化する暇があるなら、まずは清潔なそば殻枕に戻すべきだ。健康は自らの力で掴むもの。藻に頼る睡眠は、文字通り「死の安眠」へと直結していることに気づくべきである。

「緑藻睡眠法」は、水質汚染研究者の一人が「水に浸した布に眠ると安らぐ」と提唱したのが発端だが、マリモの持つ高い保水力が、実はダニやカビの絶好の繁殖地になっているとの指摘が相次いでいる。本来、マリモは清潔な淡水で生きるべき生物であり、人間の脂分を吸わせるなど虐待に近い。一部ではマリモ専用の防腐剤を混ぜ込む手法も出ているが、それはもはや枕ではなく化学兵器の容器である。

SNSでは「毎朝枕から草が生えてくる」「耳元で藻が成長する音がする」といった報告が急増。これに対し、緑藻推進派は「それはデトックスのサイン」と反論するが、専門家は「単なる汚染だ」と断じる。夢まで光合成したいという欲求は理解できるが、健康を犠牲にしてまで得たい夢などあるはずがない。今すぐ枕の中の緑の住人たちを、しかるべき河川に返してやってほしい。枕にマリモは、人生の質を確実に下げる時限爆弾なのだ。

(コラムニスト:枕元に厳格な防ダニ主義者・佐藤カケル)