湖底議会は本日、長年マリモたちの義務とされてきた光合成を専門の藻類へ外部委託可能とする『光合成アウトソーシング法』を、僅差で可決した。これまでは各マリモが水面に浮上して日光を浴びる「浮上型」が推奨されていたが、議会は「個体差による日照時間の不平等を解消する」と主張。今後は、水面に留まる小型藻類が光エネルギーを吸収し、その栄養素を凝縮した『光キューブ』を湖底の各マリモに定期配送する画期的な供給体制が導入されることとなる。推進派の藻田首相は「これでマリモは重い腰を上げる必要がない。私たちは、湖底の暗闇に腰を据えたまま文明を謳歌するのだ」と高らかに宣言。しかし、反対派からは「自身の力で太陽を拝まないマリモなど、ただの緑の塊に過ぎない」との反発が相次いでおり、湖底社会のアイデンティティを根底から揺るがす事態となっている。

本法案の背景には、近年の異常気象による水温上昇と、浮上した際の鳥による誤食リスクの増大がある。特に湖面へ向かう道中で捕獲される個体が急増しており、生命維持のための生存戦略として「地産地消ならぬ光地産地消」が求められていた。また、経済界からは「光合成をしない時間を、マリモ同士の社交や湖底観光に充てることで、経済効果が期待できる」との声も上がっている。一方で、教育現場からは「自力で浮上できない世代が増えれば、マリモ本来の運動能力が退化する」という懸念も示されており、政府は今後、強制的に転がって運動させる『フィットネス義務化』の補完計画も検討中だ。

このニュースに対し、湖底のSNSでは賛否両論の嵐が吹き荒れている。多くの若手マリモが「これで過酷な浮上運動から解放される!」と歓喜する一方で、ベテランマリモたちは「日光を浴びた瞬間のあのピリピリ感がなくては生きた心地がしない」「効率化ばかり追求して、マリモとしての情緒が死んでいる」と憤りを隠さない。一部の過激派からは、光キューブを積んだ配送業者の船を湖底から転覆させるという物騒な予告まで飛び出しており、議会は急遽、配送網の警備強化を決定した。今後、この『光の外部委託』がもたらすのは楽園か、それとも退廃の入り口か。歴史的な転換期を迎えた湖底議会の決断に、全マリモの注目が集まっている。