湖底議会は15日、長年暗黙の了解とされてきた「真球維持義務」に対し、若手マリモを中心に組織された「多面体ルネッサンス党」が全面的な撤廃を要求したことで緊急討議を開いた。発端は、先週行われた大規模な自転訓練中に発生した「角出し騒動」である。リーダー格の一個体(生後80年)が、「完璧な球体であることを強制されるのは精神的苦痛だ。私は今日から立方体として生きる」と公言し、湖底の砂を器用に積み上げて自身の角を形成したことが引き金となった。これに対し、保守的な「真球尊守派」からは「我々の誇りである美しい流線形を損なう冒涜だ」と猛烈な批判が上がっており、湖底はかつてないイデオロギー対立の渦中にある。
本件の背景には、近年の環境変化に伴う「回転不足」がある。光合成を効率化するために必要な自転が滞り、一部のマリモが物理的に平べったく成長せざるを得ない状況が続いていた。これまでこの変化は「疾患」として隠蔽されてきたが、若年層はこれを「多様性」として捉え直し、あえて意図的に角を作ることで既存の価値観へ抗議を示している。議会側は「形状のいびつさは、栄養配分ミスの結果である」という医学的見解を盾に収束を図っているが、SNS上では「#正円の呪縛を解け」というハッシュタグが爆発的に拡散されており、事態は収束の兆しを見せていない。
今回の騒動は、マリモ界において「美=正円」という長年のドグマに対する初めての本格的な挑戦である。専門家は「これまで隠されてきた個体差が、アイデンティティとして噴出した」と分析する。議会がこのまま弾圧を強めれば、湖底全域を巻き込む巨大な分裂騒動に発展する可能性も指摘されている。次回の特別議会では、形状の多様性を認める「非球体基本法」の是非が問われる予定だが、真球派の重鎮たちは「そんなものを認めれば、湖底はガタガタの瓦礫の山になる」と危機感を露わにしている。
世間では「立方体の方が岩場に固定しやすくて合理的では?」「そもそも真円を目指すのって人間側の勝手なイメージじゃないか」といった冷静な意見から、「角があると自転した時に遠心力で損をする」「結局、流行りに乗っているだけの中二病マリモ」という批判まで、湖底中が議論で沸騰している。もはや水流の音よりも論争の泡が目立つ状況に、湖底警察も警戒を強めている。
湖底議会、若手マリモの『脱・球体』宣言に激震――「四角い自分も愛したい」と異形派が蜂起
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