湖底議会は15日、マリモの選挙権に関する公職選挙法改正案の審議を開始した。今回の改正案の目玉は、これまで「形成から10年以上の成熟した球体」に限定されていた投票権を、湖底の泥から分離したばかりの「誕生0秒後の新芽」にまで一挙に拡大するというものだ。提案した「若手浮遊派」は、「光合成の歴史を重んじるあまり、若年層の意志が湖底行政に反映されていない」と主張。若手マリモたちが誕生直後に投票所へ直行できる仕組みを構築することで、低投票率と高齢化が進む湖底社会にパラダイムシフトをもたらす狙いだ。
この法案に対し、保守派からは「まだ色素体も定まっていない未熟な個体が、湖の未来を左右する重要法案に票を投じるのは危険極まりない」との声が噴出。特に、光合成の効率を重視する長老層は、「昨今の新芽は、栄養価の高いプランクトンを求めて無計画に流されすぎている。そんな軽薄な輩に参政権を与えれば、湖底の均衡が崩れる」と強い警戒感を示している。実際、誕生直後のマリモは潮の流れに従うだけの存在であることも多く、今回の法案が通れば、湖流を掌握する外部勢力による「集団投票」のリスクも懸念される。
本件の背景には、近年の水質汚染によるマリモの出生率低下がある。若者の票を取り込まなければ議席を守れない中堅政党が、次世代の支持を狙ってこの法案を急進させたとの見方が強い。しかし、生物学的な観点からは「核が分裂したばかりの個体に政治的判断能力があるのか」という根本的な疑問も呈されており、法務委員会での答弁では、「球体の直径が5ミリに達するまでは政治的自己決定権を留保すべき」という修正案も浮上している。
世間ではこの前代未聞の提案に賛否が渦巻いている。「ようやく自分たちの声が届く」と期待する新芽世代の一方で、「藻類としての自覚が足りない」「まずは光合成の基礎を学んでから投票すべき」といった批判も根強い。一部の過激派グループは、投票所となる湖底の砂地で「誕生即デモ」を計画しており、法案採決に向けて湖底の緊迫感は最高潮に達している。マリモたちが真の意味での民主主義を獲得できるのか、あるいは単なるポピュリズムの餌食となるのか、全ての瞳が湖の澱みに注がれている。
湖底議会で紛糾「マリモ選挙権の年齢制限撤廃」へ 『誕生0秒即投票権』案が波紋
0