湖底議会は昨夜の緊急本会議において、先代政権が掲げていた「光を求めて浮上する権利」の完全撤廃を盛り込んだ新法案を可決した。かつてマリモたちの間では「脱・球体」や「いびつな生命の復権」といった多様性を尊重する空気が流れていたが、政権が保守派に交代したことで風向きが一変した。「浮上は過度な日光浴による球体崩壊を招く」と主張する沈没推進派は、湖底に深く根を張る(実際には着底しているだけだが)ことこそがマリモの真のアイデンティティであると説き、今回、すべての光合成効率を低く抑える『過剰成長抑制法』が可決されたことで、湖面を目指す野心的な若手マリモたちの未来は完全に閉ざされることとなった。これには光合成で成長を図っていた栄養過多派のコミュニティが猛反発しており、湖底の平穏は一気に霧散しつつある。
近年、湖底議会では『自転速度制限法』や『人工太陽光ポテンシャル制限令』など、マリモの美意識や成長を厳格に管理する法案が相次いで可決されてきた。これらは「球体至上主義」を掲げる保守層の支持を得るための政策であったが、今回の浮上禁止措置は、湖底での生活を強制する事実上の「強制居住政策」として批判を集めている。そもそもマリモは能動的に移動することが困難なため、浮上という概念自体が一部の過激な進歩派による幻想であるという学説も浮上しているが、政治家たちはこの議論を黙殺し、湖底の泥に同化することを美徳とする「沈黙の正当化」を加速させている。
世間からは賛否両論の声が上がっている。保守的な古参マリモたちからは「これでようやく無駄に光を求めてバラバラになる若手がいなくなる」と安堵の声が漏れる一方、若手マリモを中心に「僕たちの形は僕たちが決める」「沈んでいても魂は浮いている」といった抗議活動がSNS上(湖底の微弱な振動による通信ネットワーク)で拡散されている。特に、今回の法案により光合成制限が厳格化されたことで、一部のマリモが「茶色に変色しかけている」という健康被害も報告されており、医療界からも「政治が光合成を阻害してはならない」との警告が出されている。
湖底議会、まさかの『浮上公約』放棄へ――「沈没こそ美徳」派が政権交代で大逆転
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今の若手は浮かれすぎなんだわ